米Amazon Web Servicesは2月24日(現地時間)、量産品の中から異常を見つけ出す「Amazon Lookout for Vision」の正式版の提供を始めた。2020年11月30日から開催したオンラインイベント「AWS re:Invent 2020」で発表し、プレビュー版として提供していたサービスだ。
Amazon Lookout for Visionは、カメラで写した大量生産品の画像を機械学習モデルで解析し、不良品を検出するサービスだ。初期費用は不要で、モデルの学習や解析にかけた時間に応じた従量課金となる。 米東部(バージニア北部)、米東部(オハイオ)、米西部(オレゴン)、ヨーロッパ(アイルランド)、ヨーロッパ (フランクフルト)、アジア太平洋(東京)、アジア太平洋(ソウル)で提供を始め、今後数カ月で提供リージョンを増やすとしている。
特徴は、早期に運用を始められること。「few-shot learning」と呼ぶ手法を採用したことで、最低30枚の画像を用意すればモデルの学習を始められるようになったとしている。画像を用意したら(下図の1番)、それぞれの画像に「正常」あるいは「異常」のラベルを付けると数分で自動的に学習モデルを作成する(2番)。
学習モデルが完成したら、試しに動作させながら判定結果をダッシュボードで確認し、必要に応じて学習用画像を追加する(3番)。本格運用に耐えられる精度が得られたら、製造ラインなどに投入し、自動で欠陥を検知させる(4番)。運用に過程で欠陥検知に役立つデータが得られたら、再びモデルに学習させる(5番)。2番から5番までの過程を繰り返すことで、欠陥を検知する精度が高まっていく仕組みだ。
従来の欠陥検知システムは高価で設置に時間がかかる専用カメラが必要になるなど、簡単には導入できないものだが、AWSによるとAmazon Lookout for Visionは安価なカメラも利用できるという。また、従来のシステムは自然光の変動などの環境変化に追随しにくいが、Amazon Lookout for Visionは環境の変化にも追随するとしている。
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