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» 2021年03月19日 10時46分 公開

書くときにもフォントにこだわりたい 書いていて気持ちいい、お勧めフォントは?(1/3 ページ)

書き手として、フォントの選び方を西田宗千佳さんが考える。

[西田宗千佳,ITmedia]

 今回は、割と個人的なこだわりの話をしたい。フォントだ。

 われわれは多くの文字をディスプレイ上で読むようになった。デバイスとしての紙の有用性はあるし、「紙の方が目にやさしい」というのも事実ではある。だが、仕事でもプライベートでも、読んでいる文字の大半は紙でなくディスプレイに表示されている。

 一方で、ディスプレイ上で「読む」体験のほとんどは、システムが指定したフォントで行われている。

 それで最適なのだろうか?

 疑問は多々あるが、一方で、システム設定でフォントを全部変えてしまうのは難しいという問題がある。

 せめて「書くとき」くらいちゃんとフォントを選んでみたい。今回はその在り方について述べたい。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2021年3月15日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから。さらにコンテンツを追加したnote版『小寺・西田のコラムビュッフェ』(月額980円・税込)も3月からスタート。

写研・公式サイトからみる「フォントの悦楽」

 先日、フォント製作・販売で知られる「写研」が公式サイトを公開し、話題となった。

 パッと見られるように、複数の書体を1枚にコラージュした画像を作ってみたが、ぜひ、直接アクセスしてみていただきたい。そこには、写研のフォントを使った美しい文字が並んでいる。

photo 写研の公式サイトをコラージュしてみた。左から、「ナールD」「石井太教科書体」「ルリールB」「ヌーボ」と並べている

 写研は、DTP普及以前の1980年代末まで日本の「写植」による印刷の世界を支えた偉大な「書体」メーカーである。が、DTP化よりも自社での電算写植を重視した結果、本格的なデジタル化とネット対応に乗り遅れ、目にする機会が減った。われわれが日常目にする多くのフォントは、デジタル化に遅れた写研から独立したフォントデザイナーの方々が作ったものだ。

 写研の歴史はまあ、今は置いておこう。それはそれとしても、やっぱり「美しい文字」の持つ体験はすばらしい。

 アルファベット圏では、WebメディアでWebフォント技術を使い、媒体ごと・記事ごとにフォントを変えてデザインするのが当たり前になっている。日本語の場合、データ量削減など、いろいろ配慮すべき部分があるものの、もっと「フォントをしっかり記事に合わせて選ぶ」「媒体のブランドとしてフォントを選ぶ」Webメディアが増えてほしいとは思っている。企業だと、自社メディアで使うところは少なくないのだが……。

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