米Microsoftは4月12日(現地時間)、米音声認識大手のNuance Communicationsを買収することで合意に達したと発表した。買収総額は197億ドル(約2兆1551億円)で、MicrosoftとしてはLinkedInの262億ドルでの買収に次ぐ大規模買収だ。取引は年内に完了の見込み。
NuanceはMicrosoftの独立子会社として存続し、マーク・ベンジャミンCEOはクラウド&AI担当エグゼクティブバイスプレジデントであるスコット・ガスリー氏直属になる。
Nuance Communicationsは1992年創業のマサチューセッツ州バーリントンに拠点を置く上場企業。米Appleの音声アシスタント「Siri」の基になる技術を提供したことで知られる。モバイル端末や車載システム向けの音声認識技術「Dragon」シリーズ、OCR技術、モバイル向け入力システム「Swype」などを手掛けた。2018年から医療機関向け音声入力サービス「Dragon Medical One」に注力しており、Fortune 100の85%、1万以上の医療機関にサービスを提供している。
Microsoftとは2019年に「Microsoft Cloud for Healthcare」の強化で提携した。Microsoftは今回の買収をこの提携の成功に基づくとしている。
Microsoftのサティア・ナデラCEOは発表文で、この買収により「Microsoft Cloud for HealthcareとNuanceの成長を加速し、高度なAIソリューションを世界中の専門家の手に渡して、より良い意思決定を推進し、より有意義なつながりを構築することを支援していく」と語った。
Nuanceは医療分野だけでなく、金融サービス、電気通信、旅行、小売、政府などにもサービスを提供している。Microsoftは、Azure、Teams、Dynamics 365などの同社クラウドサービスにNuanceの技術を統合することで、「次世代の顧客エンゲージメントとセキュリティソリューションを提供する」とも説明した。
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