AI事業を手掛ける香港の華和結ホールディングスは4月19日(日本時間)、ディープラーニングを活用して、和牛の鼻にある模様(鼻紋)を採取・識別する技術を開発したと発表した。すでに特許を取得済みで、和牛の個体識別を効率化できるという。
スマートフォンのカメラで牛の頭を写すと、同社が独自にアルゴリズムを開発したAIが自動で鼻を特定。鼻紋を採取したり、データベースと照合したりできる。子牛のころに採取した鼻紋と、成長後の鼻紋を照合することも可能という。
和牛の飼育現場では、牛の鼻紋を採取し、個体識別の手段として活用している。これまでは、固定した牛の鼻にローラーでインクを塗り、和紙を貼り付けることで鼻紋を採取していた。
しかし、この方法では牛にストレスがかかったり、口蹄疫(こうていえき)といった病気につながったりするリスクがあった。採取は手作業で行うため、熟練した作業員がいなければ行えない他、和紙を紛失・破損する可能性もあった。鼻紋の照合は目視で行うため、誤認が生じる問題もあった。
今回開発した技術はこれらの問題を解決できる他、採取の手間を減らすことができ、作業員の負担削減につながるという。華和結ホールディングスは今後、この技術を犬や猫などにも使えるようにし、野良犬・野良猫の管理といった用途にも活用するとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR