乳幼児を保育施設に預ける保護者にとって、子どもの体調管理は大切だ。急な体調変化によって仕事の予定を調整するなどの必要に迫られるからだ。そんな乳幼児の体調変化をいち早く見つけ、前日に発熱予測をするサービスを、保育施設向けのICTツール開発を手掛けるCHaiLD(チャイルド、東京都墨田区)が開発した。
「発熱予測アラート」では、昼寝をする0〜2歳の園児に装着して呼吸や睡眠状態を自動で記録する、同社開発のセンサー「CCS SENSOR」を使う。計測した園児の皮膚温度の推移(過去数日〜1カ月)を、約3000件の皮膚温度データや、発熱などが理由の病欠記録から機械学習で抽出したパターンと照らし合わせることで、発熱予測を行う。
従来は園児の顔色や食欲などから保育士が経験で判断していたが、発熱予測を根拠の1つとして説明できる。発熱の予兆が見つかった場合、保育士にアラートを通知。保育士が保護者へ伝えることで、保護者は翌日の仕事の調整や家庭内での体調管理などに事前に対応できる。発熱予測から翌日の登園を見送る動きが広がれば、施設内での感染拡大防止にもつなげられる。
予測精度は約72%で、調査では約1万2000人の園児のうち実際に発熱した111人に対して80件のアラートを出せたという。CHaiLDがグループ会社の運営する保育施設で行った調査では、発熱予測機能を歓迎すると答えた保育士は86%、保護者では89%に上った。
CHaiLDの貞松成社長は「いま収集できるのは保育園の中のデータだけだが、本来は家庭のデータもほしい」とし、「睡眠状況やいつ感染症になったのかが分かれば、病気の類推なども将来的には可能になる」と今後の展望を話した。
発熱予測アラートの受け付けは5月14日から始めており、6月中旬までに提供開始を見込んでいる。CCS SENSORの一般家庭への発売は予定していない。
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