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Apple Musicの“追加料金無しでハイレゾ提供”が楽曲販売に与えるインパクト インディーレーベル運営者の視点(2/4 ページ)

» 2021年05月18日 17時13分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

 Apple Digital Mastersのようにロッシーでも最良の音を追求し、CDマスターとは別の専用のマスタリングを実施する場合もある。ますますもってコストがかかっている。参考までに、筆者のレーベルでは、一部、著作権の関係で高く設定しているアルバムを除き、ハイレゾのダウンロード音源も基本的にロッシー音源と同価格帯に設定している。

photo Apple Digital Masters

 ちなみに、ストリーミング系では、Amazon Music Unlinitedが、月額980円であるのに対し、ロスレス・ハイレゾ配信のAmazon Music HDは1980円で提供されている。もっとも米Amazonは今回のApple Musicの戦略に対抗して、Amazon Music HDの価格をこれまでの月額14.99ドルから9.99ドルへと、ロッシー音源と同価格に値下げしたそうだ。

 プラットフォームの言い分としては、ハイレゾはデータ容量が大きい分、ストレージやネットワークのリソースを多く消費するからエクストラチャージは当然、という考え方もあるだろう。それは理解できる。そういった意味でも、今回のApple Musicの、エクストラチャージなしでハイレゾとイマーシブオーディオが聴けるという英断は賞賛に値する。

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