IT企業の40.4%が業務に副業人材を活用している──求人サービスを手掛けるBrocante(東京都渋谷区)は6月2日、こんな調査結果を発表した。「活用していない」は50%、「検討中」は9.6%だった。
調査は同社のフリーランスエンジニア向け求人サービス「doocyJob」を利用する104社を対象に、5月19〜31日にかけてネット上で行った。
副業人材を活用するIT企業に報酬の相場を聞いたところ、最も多かったのは時給4000〜4999円(28.6%)。以降は3000〜3999円(25.0%)、5000〜5999円(14.3%)、2999円以下(同)、6000〜6999円(7.1%)、7000〜7999円(同)、8000円以上(3.6%)と続く。Brocanteは「3000〜4999円が多い一方、5000円以上も32.1%を占める。開発リソースを確保する場合と、専門性の高い人材を採用する場合で相場が異なるのでは」とみている。
副業人材を活用する狙いを聞いたところ、1位は「外部人材の専門スキルを活用したい」(43.8%)、2位は「正社員として採用できる可能性がある人材と接点を持ちたい」(31.3%)、3位は「社内エンジニアの負担削減」(18.8%)だった。「正社員と比べて採用コストが低い」ことを理由に挙げる企業もいた。
では、こういった企業は副業人材にどんな業務を依頼しているのか。アンケートによると、1位は「フロントエンド」(25.3%)、2位は「サーバサイド」(22.2%)、3位は「デザイナー」(19.0%)だった。以降は「PMO」(プロジェクトマネジメントオフィス、9.5%)、「アプリエンジニア」(6.3%)と続く。「インフラ」「ネットワーク」「技術顧問」「セキュリティ」などの回答もあった。
これらの副業人材に求めるスキルの項目では、1位は「JavaScript」(15.5%)、2位は「PHP」(12.2%)、3位は「Ruby」(11.0%)だった。4位以下は「Python」(9.9%)、「Kotlin」(8.8%)、「Swift」(同)と続く。「Amazon Web Services」「Go言語」「Java」という回答もあった。Brocanteは「フロントエンドやサーバサイドエンジニアに需要があるため、これらの業務で利用するJavaScriptが使える人材に人気なのではないか」と分析している。
こういった副業人材の採用方法については「社員や知人の紹介」(39.0%)が最多。次いで「SNS」(31.7%)が多かった。他には「求人サービス」(22.0%)、「エージェントの紹介」(7.3%)があった。
Brocanteは結果を受け「JavaScriptやPHP、Ruby、Pythonの人気が高いことから、Webシステムの開発や機械学習の現場で副業人材の活用が進んでいる可能性が高い。一方でSIerなどでニーズの高いJavaは需要が少ない。Webサービスを運営する企業では副業人材の活用が進む一方、SIerでは受け入れが進んでいないのでは」としている。
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