来場者の写真レベルという項目は興味深い。2019年のリアル展示では、中級者と初級者が大半を占めるのに対し、2021年のオンラインでは、中級者のレベルが目立って高い。
来場者の傾向は大きく変わっていないと思われるが、自己評価であるところがポイントで、対面でない場合は自己評価が高まる傾向にあるようだ。2年経過して、同じ人がそれぞれステップアップしたという見方もできるが、逆にいえばオンラインでは初心者の取り込みには失敗していると考えられる。
リアルの展示会の場合、人を誘って行くことができる。コンシューマーの展示会では、中級者に連れられて初心者がカメラに入門するという入り口として機能する面もあるわけだが、オンラインではそうした効果が得られないのが課題になりそうだ。
2019年には調査がないが、2021年には動画のスキルも尋ねている。
こちらは非常に謙虚な評価で、初心者と全くの初心者が大半を占める。CP+の来場者は写真好きの人たちで、動画への興味関心は薄い。しかし現実として、動画撮影の主力はスマートフォンを除けばもはやデジタルカメラになっている。動画のプロ向けにはInter BEEがあるが、コンシューマー向けには展示会がなく、CP+がそこを担うしかないのが現状だ。
CP+にYouTuberがわんさか押し寄せて動画レポートを上げまくるようなことになれば、リアルイベントとしては盛り上がるのは間違いないが、果たしてその盛り上がりが歓迎されるのか、という問題もあるだろう。
だがデジタルカメラの顧客層として、今や動画ユーザーは無視できない数になっており、カメラメーカーとしては是非囲い込みたい部分であろう。
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