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» 2021年06月03日 07時30分 公開

「CP+2021」報告書に見る、オンラインイベント成功の鍵(3/3 ページ)

[小寺信良,ITmedia]
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 使用しているカメラにも変化が見られる。2019年の時点では、デジタル一眼レフの所有が多く、またメインで使用している様子が見て取れるが、2年たったら状況が変わってしまった。

 デジタル一眼レフの所有はほとんど伸びていないのに対し、ミラーレスの所有が大幅に伸びている。またメイン機としても逆転しており、やはり各社のフルサイズミラーレス参入は大きな構造変化を起こしているようだ。

photo CP+2019登録者の使用カメラ
photo CP+2021登録者の使用カメラ

 加えて2021年には、写真や動画をどのように楽しんでいるのかについての設問も興味深い。目的については、純粋に趣味として撮影を楽しむ層の存在は想像つくところだが、SNSへの投稿や写真加工といった、積極的な表現がそれを追い越している。

photo CP+2021登録者の日常

 鑑賞方法としては、PCとタブレットでの鑑賞が2トップとなっているところだが、選択肢として「テレビで鑑賞」が抜けているのが残念なところだ。

 家庭内においては、テレビが最も大きなスクリーンであるはずだが、それに対してのニーズがくみ取れなかった。また動画撮影後の鑑賞についても、テレビは選択肢に上がる可能性が高く、カメラとテレビ両方を出しているメーカーにとっては、そこの接着を積極的に図りたいはずである。

 また動画撮影については、CP+の来場者というフィルターを通してみても、デジカメでの撮影とスマートフォンでの撮影が拮抗しており、写真を撮るモチベーションと動画を撮るモチベーションが同じではないことが浮き彫りになっている。

 写真が機材を持ち出し、待ち構えて撮影するだけのモチベーションがあるのに対し、動画に関しては半数がスマートフォンでよしとしている辺り、まだまだ動画撮影のためのデジカメという訴求が十分伝わっていないことが分かる。

 ただ、今ネットで動画コンテンツを積極的に作って発信しているのは40代以下の層であり、CP+のメインである50代以上には動画を撮る動機が薄いという点はあるだろう。子どもを撮るというのもやはり40代ぐらいまでで、50代の子どもはもう高校生や大学生であり、撮影機会がないという点も大きい。

 いずれにしても、CP+の弱点は動画ユーザーの手当であるということはいえそうだ。ただ、動画をクリエイティブに語っていくのは難しい。写真の世界は芸術と直結しており、皆プロの写真家のノウハウや制作プロセスを知りたがる。

 一方動画の世界はカメラマン一人で作り上げるものではないため、動画カメラマンにスター選手はいない。かといって監督を連れてくるのも違う。YouTuberを連れてくるのはもっと違う。CP+的に動画をどう切るか、そこが難しい。

 ただ、次回のCP+まではまだ相当時間がある話なので、ゆっくり作戦を練る時間はありそうだ。次回はオンラインとオフラインのハイブリッドになるのではないかといわれているが、そうなるとまた課題も増える。日本で数少ないオンライン展示会の成功例なだけに、ぜひ上手なかじ取りを期待したいところだ。

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