無料無制限バックアップサービスが終了したと言っても、Googleのオリジナルスマートフォン「Pixel」シリーズのユーザーであれば、これまで通り節約画質でのアップロードは無制限となる。
ただし、Google フォトのヘルプページによると、この「優遇措置」は現行最新モデルの「Pixel 5」までが対象と思わせる表記になっている。無制限のバックアップを目当てに機種変更するのであれば今のうちだろう。
将来的にはそれ自体も終了することが報じられており、Google フォトのためにPixel端末を利用するとしても、いずれは無制限の対象外となってしまう。
なお、Googleは2021年6月現在、このPixelスマートフォン向けの優遇措置の他、Chromebookを購入したユーザーに対して、Google Oneの100GBプランを12カ月間無料で利用できる特典を提供している。Chromebook向けのオンラインストレージ特典は次第に縮小傾向にあり、Chromebookのユーザーがさらに増えていけば、こちらもいずれ終了してしまうかもしれない。
Google フォトというサービスは、2015年5月にソーシャルサービス「Google+」から独立してスタートした。2019年7月には月間のアクティブユーザー数が10億人を超え、2020年11月の公式ブログによれば、Google フォトには4兆枚を超える写真が保存されており、毎週280億枚の新しい写真と動画がアップロードされているという。
今後も年間1兆枚を超えるペースで写真や動画が増えていくのは、Googleでもさすがに無理があったのかもしれない。Googleも営利企業だから、この際Google フォトを終了させるか、広告を表示させるなど別の収益化手段を考えることもできただろう。
Googleといえば、それなりにユーザー数が多いサービスでも切り捨ててしまうことが珍しくない。RSSリーダーの「Google リーダー」やメールアプリ「Inbox」が記憶に新しいだろう。便利に使っているユーザーからすれば、サービスが消滅してしまうより、有償でもいいので続けてほしいと思うところだ。
Google自身はGoogle フォトを「人生の有意義な瞬間を振り返る場所」と表現しており、将来にわたってサービスを継続することを重要視している。また、保存されている画像を広告に利用しないという約束も掲げている。
終了してしまったGoogleのサービスたちは単体でマネタイズしづらいものが多いが、Google フォトの場合、Google Oneへの課金を通してGmailやGoogle ドライブといった他サービスへの利用にもつなげられる。これはGoogleの囲い込みとしての狙いも感じられる。
Google Oneは、Googleのサービスやプラットフォームをよく利用する、つまりGoogleへの依存度が高ければ高いほど、有料プランを契約するメリットがあるといえる。
AppleやAmazonのような他のプラットフォーマーもクラウドストレージサービスを提供しているが、どれを使っていくかとなると、ストレージサービス単体で使い勝手を検討するというより、実際にどのプラットフォームを利用するかで考える方が合理的だろう。
Google フォトからの乗り換え先を考えるのであれば、今後付き合っていくプラットフォームを考え直す機会にもなるはずだ。
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