電極入りのシャツとセンサーで体温や心拍数を計測。PCで数値を確認し、熱中症の予防に役立てる──そんなサービスを、NTTテクノクロスが7月から法人向けに提供する。
提供に先駆け、暑さ対策の製品が集まる「第7回 猛暑対策展」(東京ビッグサイト、6月23〜25日)ではセンサーやシャツの実物も展示した。7月からはどんな形式でサービスを提供していくのか。石上拓麿さん(デジタルツイン事業部第二ビジネスユニットマネージャー)に聞いた。
サービスでは東レと共同開発した、体表面の微弱な電流を計測できる電極入りシャツ「hitoe ウェア」と、温度と湿度、心拍、歩数を計測できるセンサー「TX02」を活用。利用者はhitoe ウェアを着用し、その胸部分にTX02を装着する。
センサーやhitoe ウェアが計測した情報はNTTテクノクロスのクラウドサーバに送信。これらのデータを基にサーバ上で着用者の体内の温度を分析し、それを管理者のPCに送信する仕組みだ。熱中症や体調不良の予兆がある場合には、警告を表示して管理者に知らせる。
専用のアプリを使えば、着用者自身も数値を確認できる。着用者が体調不良を自覚している場合、アプリから管理者に報告もできるという。
hitoe ウェアは約100回まで洗濯可能。サイズはS、M、L、XL。TX02は約50時間連続で利用できるという。
料金は月額制で、センサー1台当たり月3000円(税込、以下同)。最低10台から注文を受け付ける。hitoe ウェアは別途購入する必要がある他、3000円の初期費用も発生する。利用時には、米Microsoftのデータ可視化ツール「Microsoft Power BI」のアカウントも必要という。
センサーと衣服を併用して熱中症を防ぐこのサービス。しかし、スマートウォッチやスマートバンドなど、着用者の健康状態を把握するデバイスは他にいくつもある。なぜシャツで熱中症を予防しようと思ったのか。
「腕時計型デバイスなどでは外の気温に影響されて、身体に近い部分の温度を正確に測れない。一方、シャツ型なら心臓に近い位置にセンサーを設置して計測できる」(石上さん)
まずは屋外の工事現場や農業分野に加え、屋内の工場といった作業現場への展開を進めるという。今後は医療や介護の現場でも利用できるようにするため、医療機器としての承認も目指す。
「熱中症などの体調不良は、作業に集中していると本人には分かりづらい。可視化することで体調管理に役立てたい」(石上さん)
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