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AppleのDolby Atmos空間オーディオをビートルズ「Abbey Road」で体験 空間オーディオの制作も試してみる(3/4 ページ)

» 2021年06月29日 12時29分 公開
[山崎潤一郎ITmedia]

M1 Mac miniでは、プラグインが動作せず

 現時点で、Dolby Atmosコンテンツを制作するためには、ドルビーのサイトから「Dolby Atmos Production Suite」を入手する必要がある。

 これには、DAW用のプラグインとレンダリングソフトが同梱されている。ただし、90日間のトライアル試用に限られる。使い続けたければ、Avidの販売サイトで3万3000円で購入する必要がある。また、別途iLok認証も必要となる。Avidのサイトで販売しているので、プラグイン形式は、Pro ToolsのAAXにしか対応しないのかと思ったら、ちゃんと他のDAW用のプラグインフォーマットでもインストールできる。

 もちろん、Logic Pro向けのAudio Unitsにも対応しているが、1つ残念なことがある。M1 Macではプラグインが動作しないのだ。Rosetta環境で動くかなと思い試してみたが、プラグインを読み込むことができなかった。

 レンダリングソフトである「Dolby Atmos Renderer」は、Rosetta環境でも動作したが、プラグインが動かないのであれば、Dolby Atmos Rendererだけが動いても意味はない。

 Dolby AtmosのプラグインとDolby Atmos Rendererは、次のようなアーキテクチャで動作する仕組みだ。DAWの出力先を、仮想デバイスである、「Dolby Audio Bridge」に設定し、オーディオインタフェースへの出力は、Dolby Atmos Renderer側で指定する。

photo DAWのプラグインから仮想デバイスを経由してDolby Atmos Rendererに音声とメタデータが送信される。実際の音は、Dolby Atmos Rendererからオーディオインタフェース経由で出力される(Dolbyのチュートリアル動画から引用)

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