楽天モバイルは7月12日、基地局や通信回線網など全てを5G技術で構築したStand Alone(SA)方式の5G通信の実証実験を行い、データ通信に成功したと発表した。SA方式は「フル5G」とも呼ばれ、低遅延や多数同時接続といった5Gの特徴をより生かせるという。SA方式のサービス開始や対応端末の提供時期は未定。
同社が現在整備している5G通信網は、4G/LTE用の基地局や通信回線網と併用するNon Stand Alone(NSA)方式だった。NSA方式は既存の構成を流用できることから早く普及できる一方、専用の機材ではないため5Gの特徴を発揮しきれないという課題があった。
SA方式では、通信の用途に応じて帯域幅や通信品質を仮想的に分割するネットワークスライシング技術といった制御が可能になる。NSA方式に比べ、接続端末数や通信量の増加に対応可能になるという。
実験では、通信ネットワークをクラウド上で管理する「クラウドネイティブ・ネットワーク」機能として運用。仮想化技術の一つである「コンテナ」や、マイクロサービスといった手法を活用できるため、ネットワークの機能を短期間で向上できるとしている。
今回の実験はデータ通信テストのみで、ネットワークスライシングなどの制御は盛り込んでいない。「今後、ネットワークスライシングやエッジコンピューティングなど、5Gで本格的に実現するさまざまな機能の動作検証を順次行う予定」(同社)としている。
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