そして2021年に登場するのがZVシリーズのミラーレス一眼バージョン、VLOGCAM ZV-E10だ。RX100系がZV-1に変身したように、α6xxx系がZV-E10になった。
ZV-1と同じく、背面モニターはバリアングルになり、EVFは省略され、撮影モードダイヤルは廃止され、動画撮影に不要な操作系は(おそらく)メニューの中に入った。
写真も撮れるV-log向きビデオカメラとして再設計されたのである。
面白いのはズームレバーが付いていること。対応したパワーズームレンズでしか使えないが、手軽に手持ちで動画を撮るときのズーミングは電動の方が安定するのでそれを想定しているのだろう。
ボディ内手ブレ補正もない。動画撮影時は電子式の手ブレ補正で賄えるからだ。静止画撮影時の手ブレ補正は手ブレ補正機構を持つレンズを使ってね、ということだ(まあα6400まではボディ内手ブレ補正を持たなかったので、EマウントのAPS-Cサイズ用レンズは基本的に手ブレ補正内蔵だし)。
そして、VLOGCAMとしてZV-1より優れているのはセンサーが大きいこと。
例えば「背景ぼけ切換」ボタン。センサーが大きい分背景ぼけの効果も大きいし、「商品レビュー用」ボタンを押したときのフォーカスの移動もより際立つ。
さらにセンサーが大きい分、暗所にも強い。
今までスマホで撮っていた人にとって(オンラインのプレゼンでもスマホの映像と比較していたし)、その差が如実に見えるのは魅力的なはずだ。
α7シリーズの優れたAF(リアルタイム瞳AFやリアルタイムトラッキングAF)を使えるのもでかい。
マイクもZV-1と同様に3カプセルマイクを内蔵し、ウインドスクリーンも付属している。
そして何より驚いたのは価格だ。市場推定価格は消費税込みで7万8000円前後。
確かに、EVFはないしボディ内手ブレ補正機構もないしでコスト的には有利なのだけど、レンズキット(8万9000円前後)でもZV-1より安いのだ。
明らかにZV-1より本格的な映像を撮れて、レンズ交換もできるのに、安いのである。本気で新しい市場を作りにきてるな、というのが分かる。
細かいところは実機が来たらレビューする予定なのでそのときにってことで、発表を見た感想としては「今の時代に合わせた写真も撮れるビデオカメラとしては出色の出来」といっていいんじゃないかと思う。
あらたに動画メインの良いカメラが欲しい人のみならず、α7やα6xxxで写真をメインに撮ってたけど映像もそろそろやりたいって人が、動画専用サブ機として手を出すには最適だと思う。レンズもそのまま使えるし。
こうなると気になるのはフルサイズセンサー機。
ZV-1から数カ月後に登場したα7CはV-logを意識した設計で、デザインもα6xxx系に近いしモニターはバリアングルだし、コンパクトだし、でもEVFはついてるしZVシリーズのようなマイクも搭載してない。V-logを意識はしてるけど、まだ動画が得意なスチルカメラの域を出てない(だからα7シリーズなんだけど)。
こうなると来年あたり、α7CのボディをベースにしたZVシリーズが登場し、ZVシリーズはいずれ電子シャッターのみになり、と、どんどんαシリーズとは異なった進化をしてくれるんじゃないかという気がしてるのである。
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