カメラメーカー各社が新型のフルサイズミラーレス一眼を投入した2020年、ソニーは「α7SIII」と「α7C」を発売した。α7SIIIは映像作品志向のハイエンド機なのでいいとして、興味深いのがα7Cだ。
α7CのCはコンパクトのCだそうだが、使ってみるとカジュアルのCでもあるなという感じ。
ざっくり見た感じではAPS-Cサイズセンサーを搭載した「α6600」の兄気分であり、中身的にはフルサイズセンサー搭載のα7シリーズの弟分だ。
ソニーはここ数年、シリーズによってボディのデザインコンセプトを固定しており、APS-Cサイズは上面がフラットで左肩にEVFを内蔵したα6xxx系、フルサイズは中央がぴょこんと飛び出ててそこにEVFを内蔵したα7系と分かれていたのだけど、主力であるα7のすそ野を広げるべく、今年のトレンドである動画系ユーザーも念頭において投入してきたカメラがα7Cなのだなと感じるのである。
Cはコンパクトだという通り、ボディはAPS-Cサイズセンサーを搭載したα6600よりほんのちょっと大きくて重いくらいに収めてきた。重量は約424g。APS-Cサイズのαとマウントは同じなのでα6600の上位機になぜかフルサイズセンサーが入ったー、と思っていいかも。
もっとも、α6600と同じわけではない。上面はフラットだが少し段が付いていてダイヤル類が上に飛び出さないようになっているし(おかげでバッグへの収納性が高い)、右肩には独立した露出補正ダイヤルが付いている。操作感はα7IIIに近い。
α7Cの小ささをより際立たせているのはレンズ。キットレンズは沈胴式で細くて軽い。沈胴式のため携帯性も高いのだ。
スペックは28-60mmでF4-5.6。コンパクトとはいえ、最近の標準ズームは24mmスタートが標準的で、動画もメインに考えるとやや残念だ。
でも写りはいい。広角端でも周辺までちゃんと解像しているし、ディテールの描写力も高い。
ボディがコンパクトな分、ファインダーは小さめ。より大きなセンサーを積んでいるためか、ファインダーに避けるスペースが小さく、α6600のファインダーよりもちょっと小さく感じる。見え具合は良いがファインダーメインで撮りたい人には不満かも。
むしろ、背面モニターメインで撮る人向けのイマドキのデザインだ。
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