体に装着したスマートフォンで地面に引いた線を撮影し、線からそれた場合に音で知らせることで、視覚障害者でも一人で真っすぐ走れるようにする──米Googleの日本法人Google Japanは8月17日、こんな研究を日本でも始めると発表した。テストに協力したい企業や団体、視覚障害者を募集している。
プロジェクト名は「Project Guideline」。Androidスマートフォンをベルトでランナーの腹部に固定し、地面に引かれた線をスマホのカメラで撮影。その線がランナーより左にあるか、右にあるかなどを、Googleの機械学習用オープンソースライブラリ「TensorFlow」を活用した画像認識AIでリアルタイムに分析する。ランナーが線からそれた場合は、身に付けているヘッドフォンを通して音で知らせる。
もともとは米国で2020年に発足したプロジェクトで、21年5月には視覚障害のあるランナー、御園政光さんと協力してテストを実施。開発した技術を使って実際にランニングしてもらったところ、Project Guidelineの補助だけで10kmを完走することに成功したという。
ただし、ランニングコースには影や落ち葉があることが多く、地面の色も一定でないため、AIがさまざまな条件下で補助線を正確に読み取れるようにするには、追加の学習用データが不可欠という。日本でのテストではこういったデータや視覚障害者からのフィードバックを集め、安全性の向上に役立てるとしている。
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