Innovative Tech
耳鳴りでスマホを操作するイヤフォン「EarRumble」 でも使える人は4割だけ
Innovative Tech:
このコーナーでは、テクノロジーの最新研究を紹介するWebメディア「Seamless」を主宰する山下裕毅氏が執筆。新規性の高い科学論文を山下氏がピックアップし、解説する。
独カールスルーエ工科大学と英ランカスター大学の研究チームが開発した「EarRumble」は、耳鳴りを発生させる筋肉収縮を利用してモバイル機器を操作するウェアラブルデバイスだ。大きな音を減衰させるのに使われる鼓膜張筋によって変化する外耳道内の圧力を測定し、ジェスチャーとして使う。
鼓膜張筋の収縮を自発的に制御すると、ゴロゴロ音や振動音などの耳鳴りが発生する。ただし、誰もが自発的に動かせるわけではない。オンラインアンケート調査では、鼓膜張筋を自発的に収縮させて耳鳴りを誘発できる人は43.2%の回答だった。
耳鳴りを誘発できる人のうち、80.7%が持続時間を変えたり、複数の音を連続して発することができると回答。また、ほとんどの場合は他人に気付かれずに鼓膜張筋を動かせることが分かった。
今回は、一部の人が使いこなせる鼓膜張筋の自発的な収縮を活用してジェスチャー操作を行う。
市販のイヤフォンからスピーカーを取り外し、3Dプリンタで印刷したケースに取り付ける。外耳道の密閉性を確保するために耳栓を使用。耳の中の気圧を測定するために、32Hzでサンプリングする圧力センサーを組み込んだ。
鼓膜張筋を自発的に収縮できる参加者から圧力信号のデータを収集し、ジェスチャーを検出する機械学習パイプラインを開発、訓練した。閾(しきい)値検出アルゴリズムと特徴ベースの機械学習分類法を使い、圧力信号から1回の収縮、2回連続の収縮、1秒以上の長時間収縮の3つのジェスチャーを認識するようにした。
電話の着信シーンを想定した実験では、1回の収縮で着信を受け取る、2回の収縮で拒否する、長時間の収縮でミュートにするの3つを参加者に操作してもらった。リアルタイム性能で最大95%の精度を実現したが、長時間収縮の検出によるジェスチャー(ミュート)は困難だと分かった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
GMO、ランサム被害にあった顧客に新しいPC提供へ 犯行グループは1人の顧客情報公開か
-
2
資さんうどん、従業員の退職理由などが外部から閲覧可能に 委託先の勤怠システムに設定不備
-
3
NECのルータ「Aterm」、PHP脆弱性の影響なし 設定画面URLの「.php」は無関係
-
4
GMO、不正アクセス実行犯の手がかりに懸賞金 1億5000万円規模
-
5
「楽天トラベル」に不正アクセス 顧客情報最大約260万件など流出か 予約者約3.6万件のクレカ情報も
-
6
auメールで朝から障害 全国で利用しづらい状況に
-
7
メアドを検索→AIで“その人専用フィッシングメール”を生成する手法、クリック率が約2.7倍に 7000人以上で実験
-
8
GMO不正アクセスの犯人サイト、ドメイン停止を確認
-
9
「対策を後回しにしたサーバが軒並み狙われている」 相次ぐ不正アクセスにラックCTOが警鐘
-
10
GMO、攻撃者の公開情報に「アクセスは絶対に控えて」 悪質な拡散者には法的措置を準備
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR