農林水産省は9月6日、月面基地での食料自給を目指したプロジェクトの委託先公募を始めた。食料の生産から廃棄物の処理まで可能な「食料供給システム」の開発と、地上での検証施設の設計ができるグループを公募。2025年までの実現を目指す。9月10日にオンラインで行う説明会の参加者も募集している。
日本は、米国の国際宇宙探査計画「アルテミス計画」に参加する予定。月面などで有人活動を長期間行うため、効率的な食料生産・資源再生技術を開発することが重要と判断した。
プロジェクトでは、(1)密閉された空間で農作物を栽培したり、植物性プランクトンを人工培養したり、培養肉を作るなどといった食料生産技術と、有機性廃棄物を資源として処理するシステムの開発、(2)センサーなどを使い、基地内でのQOL(クオリティー・オブ・ライフ、生活の質)を向上させるマネジメントシステムの開発、(3)地上での月面基地模擬施設や宇宙実験モジュールなどでの実験施設の設計――を研究開発する。
プロジェクトへの応募は、民間企業や大学、地方公共団体など法人格のある研究機関で作るコンソーシアム形式で、9月30日まで受け付ける。審査の後、21年10月以降に委託契約を結ぶ計画だ。
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