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「iPhone 13/mini/Pro/Pro Max」は何が変わった? iPhone 12シリーズとの比較まとめ(2/3 ページ)

» 2021年09月15日 10時57分 公開
[山川晶之ITmedia]

Proモデルは本格的な動画撮影用途を強調 可変リフレッシュレート「ProMotion」にも対応

 今度はiPhone 13 Pro/Pro Maxと、前モデルの12 Pro/Pro Maxとの違いを見てみる。13 Pro/Pro Maxも前モデルのデザインを踏襲した順当なアップデートで、カメラと動画性能の強化が中心となる。

カメラシステムが進化 ProとPro Maxで共通仕様に

 カメラは引き続き超広角カメラ、広角カメラ、望遠カメラの3眼仕様だが、全てのカメラに手が加えられている。超広角カメラは最短撮影距離2cmのマクロ撮影に対応。レンズも前モデルのF2.4からF1.8へと明るくなり、センサーも刷新したことで92%多くの光を取り込めるようになったという。

 広角カメラは「iPhone最大のイメージセンサー」をアピール。レンズはF1.6からF1.5と若干明るくなり、2.2倍多くの光が捉えられるようになったという。センサーシフト式の手ブレ補正にも新たに対応する。望遠カメラは、13 Pro/Pro Maxともに光学3倍だ。

 iPhone 12シリーズではPro Maxのみ、広角カメラに大型センサーとセンサーシフト式手ブレ補正、2.5倍の望遠レンズなどProとスペック差があったが、13 Pro/Pro Maxでは同じカメラシステムを搭載。どちらも前モデルから性能向上しているのだが、スペック差があった分、12 Proからの方が向上幅が大きいといえる。

(左から)超広角、広角、望遠レンズ

「Dolby Vision」や「ProRes」サポートなど動画撮影周りが充実

 動画性能も向上している。12 Pro/Pro Maxと同様、4K60fpsでのDolby Vision撮影に対応するが、新たに動画フォーマット「ProRes」(最大4K30fps、128GBモデルはフルHDのみ)での動画記録に対応する。映像制作分野だとポストプロダクション用途で主に使われているものだ。MP4などの動画フォーマットと比べて圧縮率が低いため、カラーグレーディングなど高いレタッチ耐性を持つ。13/miniと同様にシネマティックモードもサポートする。

120Hz描写の「ProMotion」 可変リフレッシュレートでバッテリー節約も

 13 Pro/Pro Maxで新たに搭載されたのが「ProMotion」だ。ディスプレイのリフレッシュレート(1秒間に画面を書き換える回数)を60Hzから120Hzに引き上げるもので、iPad Proでは2017年モデルから搭載されている。今回、リフレッシュレートを10Hzから120Hzの間で可変調整する機能を追加しており、書き換える必要がないときはリフレッシュレートを落とし、バッテリーを節約する。

 iPhone 13/miniと比べると、iPhone 13 Pro/Pro Maxは前モデルよりも多くのアップデートがある。iPhone 12 Pro/Pro Maxがもともと動画撮影に注力していたモデルなだけに、今回のアップデートは動画撮影を重視するユーザーにとっては目が離せないものばかり。LiDARも内蔵しているため、フォトグラメトリの撮影などAR/VR分野での活用もできる。

 SoCは「A15 Bionic」を搭載。CPUはiPhone 13/miniで採用しているものと変わりないが、GPUは1コア多い5コアバージョンを搭載する。バッテリーも強化された一方で、13 Proは前モデルより16g増の203g、13 Pro Maxは12g増の238gと若干重く、0.25mm厚くなっている。

「iPhone 13 Pro」と「iPhone 12 Pro」、「iPhone 13 Pro Max」と「iPhone 12 Pro Max」の違い

 価格は、前モデルから5000円程度の値上げとなっている。今回からストレージ容量のラインアップに新たに1TBが追加されたが、Proの1TBモデルは18万2800円、Pro Maxの1TBモデルに至っては19万4800円と、過去最も高価なiPhoneになりそうだ。

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