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インタビュー
» 2021年09月21日 07時00分 公開

開発環境をAzureに移行したらテレワーク中の出社が減りました 「オンプレはもう限界」──ゲーム企業が成し遂げたクラウド移行の舞台裏(1/3 ページ)

開発環境をクラウド化したゲーム企業。Azureを中心に、開発基盤をマルチクラウドで構築した結果、トラブル対応の手間が減り、テレワーク中の出社が少なくなったという。“出社が減るクラウド移行”の舞台裏を中心人物に聞く。

[吉川大貴,ITmedia]

 スマートフォンゲームなどの開発を手掛けるゲームスタジオ(東京都港区)。ゲームエンジン「Unreal Engine」を使う開発部署「第1事業本部第2開発部」では2020年6月に、これまで社内サーバで行っていた開発をIaaS「Microsoft Azure」中心の開発基盤に移行。その結果、トラブル対応がなくなり、テレワーク中の出社が減ったという。

photo 斎藤信弘さん(第1事業本部第2開発部Sグループリーダー、左)、戸張宏さん(第1事業本部第2開発部Sグループ第2ユニットサブリーダー、右)

 「うちはサーバエンジニアが不足している状態にあるため、インフラのメンテナンスコストを抑える必要があり、これ以上オンプレミスを続けることは限界だった」──同社の戸張宏さん(第1事業本部第2開発部Sグループ第2ユニットサブリーダー)はクラウド化の経緯についてこう話す。

 一方、移行コストなどの問題で上長の理解がなかなか得られず、これまではクラウド化を実現できていなかったという。そんな第2開発部による“出社が減るクラウド移行”はどのように実現したのか。戸張さんや斎藤信弘さん(第1事業本部第2開発部Sグループリーダー)に話を聞いた。

「このままでは誰も管理できなくなる」 サーバ点検が業務を圧迫

 第2開発部ではAzureを導入する前、社内サーバ上に開発環境を構築しており、トラブル時などは基本的に、情報システム部がサーバルームに行って対応していた。しかし専門人材が少ないことから、こういった作業が業務の負担になっていたという。

 コロナ禍が広がりテレワークが始まると、トラブル対応の負担はさらに増加。コロナ禍にもかかわらず、2週間に一度は出社が必要だったという。「何か問題が起きたときに出社するのがだんだん難しくなり、無駄な移動時間も出てきた。対応できる人員が少ないこともあり、サーバが増えると誰も管理できなくなるのが目に見えていた」(戸張さん)

 しかしクラウド導入に掛かるコストが大きく、当初は上長から理解が得られていなかった。そこで斎藤さんたちはオンプレミスでのサーバ運用に掛かっているコストを改めて洗い出し、上長を説得したという。

photo 斎藤信弘さん(第1事業本部第2開発部Sグループリーダー)

 「オンプレミスは一見安く見えるが、電気代やメンテナンスで休日出勤する人の作業時間・人件費など、隠れたコストや工数が多い。これらの数字をできるだけ可視化し、クラウド化のメリットを理解してもらった」(斎藤さん)

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