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急きょオンライン化の「de:code 2020」、基盤にAzure採用し2カ月で準備 例年上回る1万4000人が参加予定

» 2020年06月16日 18時35分 公開
[濱口翔太郎ITmedia]

 日本マイクロソフトは6月17〜30日、開発者向け年次カンファレンス「de:code 2020」を開く。例年は都内で開催していたが、今年は新型コロナウイルスの影響でオンラインイベントに。同社によると、オンライン化は今春に決まり、準備期間は約2カ月だったが、自社のクラウド「Microsoft Azure」を基盤に用いてバーチャルイベントの運営システムを構築。開催に間に合わせたという。

 「de:code 2020そのものが、Azure開発者による開発プロジェクトだった」と、日本マイクロソフトの白戸順子さん(セントラルマーケティング部 本部長)は6月16日の報道向け事前説明会で強調した。

photo オンラインで開催する年次カンファレンス「de:code 2020」

例年上回る1万4000人が参加予定

 今年は基調講演をはじめ、AI、クラウド、ビッグデータといった最新技術に関するセッションを100種類ほど用意。オンデマンド視聴できる仕組みを整えたため、例年よりも多い約1万4000人が事前登録している。地方在住のエンジニアからの申し込みもあるという。

 会期は従来の2日間から約2週間に延長。それでも1日当たりの来場者数は例年を上回る見込みだ。多数のトラフィックをAzureで処理することで、イベントや映像の品質を保つとしている。

 日本マイクロソフトは新型コロナ対策としてリモートワークを導入したため、準備は全て遠隔で実施。セッションは全て「Microsoft Teams」で録画した。システム開発は、開発部門と運用部門が一体となって小単位での実装とテストを繰り返す手法「DevOps」で、エンジニアが自宅や遠隔拠点から行った。

photo 最新技術に関するセッションを100種類ほど用意する

参加者のアバターが会場を歩く

 参加者がリアルな体験ができるよう、Azureのインフラ上では、ベンチャー企業のFIXER(東京都港区)が開発したSaaS型バーチャルイベントシステム「cloud.config Virtual Event Service」(ccVES)を稼働する。

 ccVESは、イベント視聴者が自身のPC上で3Dモデルのアバターを選び、それを操作して、バーチャル空間上に再現した会場を歩き回れるサービス。セッションルームを訪れて講演を聞いたり、スポンサーブースで製品やサービスの説明動画を見たりできる。

photo アバターがスポンサーブースを訪れる様子

 参加者がどのコンテンツに興味を持ったか、動画セッションからどのタイミングで離脱したかといった情報は、マーケティング施策などに活用する。リアルイベントと違って登壇者が参加者と直接交流したり、製品の使い方を対面でレクチャーしたりすることは難しいが、オンラインならではの利点を生かす考えだ。

 「数週間にわたって盛り上げる。意外な開発者や、あっと驚くスペシャルゲストのサプライズも用意する」と白戸さんは話している。

photo 参加者はアバターを複数の候補から選べる

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