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» 2021年10月14日 15時02分 公開

リアルなニューヨークをバーチャル空間に再現 衛星データからAIが自動生成 無償配布も

宇宙ベンチャーのスペースデータは、衛星データと3DCGを使って現実世界をバーチャル空間として自動生成するAIを開発。アメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン地区をバーチャル空間として再現した。

[松浦立樹,ITmedia]

 宇宙ベンチャーのスペースデータ(東京都新宿区)は10月13日、衛星データと3DCGを使い、現実空間をバーチャル空間として自動生成するAIを開発。アメリカ合衆国のニューヨーク市マンハッタン地区をバーチャル空間として再現したと発表した。

AIが作成したニューヨークの画像

 同社ではこれまで日本の都市部を中心にバーチャル空間を生成してきたが、今回の実験で日本以外のエリアにも対応した。今後、AIが生成したさまざまな地域の3Dモデルを無償で提供する予定。

 Google Earthなど従来の3D地球儀は、衛星写真や航空写真を3Dモデルに貼り付けた形が一般的であり、俯瞰で地上を再現することに向いていた一方で、人間が歩く一人称視点では写真の解像度が足りず劣化してしまい、VRやゲーム、映像制作、自動運転など高度なビジュアルが求められる領域では活用が進んでいなかったという。

 同社が開発した技術は、一人称視点での3Dモデルの生成を得意としている。機械学習を使い、人工衛星から取得できる地上の静止画像と標高データを基に、地上の構造物を自動で検出・分類・構造化。AIが地上の3Dモデルを自動生成する。

 石や鉄、植物、ガラスなどの材質も自動で再現するため、近い距離でも景観が劣化しにくい。VRやゲーム、映像制作など3次元空間を人間の視点で動き回るような用途にも活用しやすいという。

 従来の3D地球儀では、写真に写りこんだままで肖像権や著作権的にグレーだった看板や広告も、AIが取り除き、確率的に最も近い3Dモデルを自動生成するため、こうした問題も気にせず利用できるとしている。

 同社では、現実世界と瓜二つの仮想世界を作り、シミュレーションに役立てる「デジタルツイン」や、3次元バーチャル空間で相互交流できる仮想世界「メタバース」での産業活用を想定している。

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