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腰痛予防にいいかも センサー搭載メガネ「JINS MEME」で自分の体を見る 月500円の価値はあるか(3/3 ページ)

» 2021年10月22日 19時00分 公開
[谷井将人ITmedia]
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ちょっと残念なポイント

 JINS MEMEにもちょっと残念なポイントはある。一つはバッテリーだ。本体が小さいからというのもあるかもしれないが、バッテリー持続時間はあまり長くない。最長で丸1日、短いと半日で充電が切れてしまう。

 毎日使いたいのだが、半日でバッテリー切れになっては取りたいデータが取りきれない。充電に時間がかかるのもネックだ。フル充電に1〜3時間ほど必要で、充電切れからの復帰が遅い。

 もう一つの残念ポイントはデータの取得ミスだ。JINS MEMEは鼻当ての電極が全て鼻に当たっていないとデータを正しく取得できないが、メガネ経験者は分かる通り、常に鼻に密着させるのはちょっと難しい。記者も最初は1日のうち半分くらいはデータを取得できなかった。そもそも、鼻当てに集中していては集中力を測る意味も薄れてしまう。

 だからこそ調整が重要になる。公式サイトで購入した人も、まずはJINS MEME取扱店舗に持ち込んで、鼻当てが確実に当たるようにしてもらおう。調整なしでは耳もかなり痛くなるため、顔からずれず耳が痛くならないように直してもらわないと、1日中付けてはいられない。

 最初に調整して、バッテリーを持たせるための運用を適切にできれば、効果を最大限発揮できる。

月額500円の価値を感じるか

 JINS MEMEには本体価格の他に利用料がある。最初の1年間は無料で使えるが、2年目以降は月額500円、もしくは年間5000円を支払う必要がある。メンタルと体のゆがみを測定するのに、この値段が適切かどうかで購入を検討すればいいだろう。記者は、今後さらにできることが増えるのであれば、十分ペイできる価値があると感じた。

 1年間使ってみて、500円の価値を感じない場合はただのだてメガネにすればいい。旧型とは違い、ほとんどただのメガネなのはそこもいい点といえるだろう。

VTuber向けデバイスとしての可能性も

 JINS MEMEはウェアラブルデバイスとしての機能がメインだが、バーチャルYouTube向けデバイスとしても今後活用できるようになる予定だ。

 JINS MEMEが取得している生体データは主に姿勢と視線だ。集中力などは目の動きを基に算出している。JINSはこれを活用することでデバイスを視線だけで操作する研究を進めており、病気やけがなどで手を使って操作できない人を助けるデバイスにもなりうる。

 また、頭や目線の向きを取得できる一種のモーションキャプチャーデバイスでもあるため、CGアバターの操作にも使える。JINSはバーチャルYouTuberのように3Dアバターを動かせるiOS専用アプリ「VTUNER」を11月にリリースするとしている。

photo VTUNER

 まだどんな仕様かは分からないが、カメラを使わずに体の動きを取得できるため、絶対に顔バレしない安心デバイスとしてある程度配信者に受け入れられる可能性もありそうだ。セルフマネジメント、操作手法の拡張、クリエイティブなど、活用の幅が広がるので、期待は膨らむ。

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