欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は11月25日(現地時間)、政治広告の透明性とターゲティングに関する法案を発表した。選挙の完全制と開かれた民主主義の保護を目的とした措置の一環。2024年の欧州議会議員選挙に向けて、2023年春までに加盟国によって実施できるようにすることを目指す。
法案では、政治広告には政治広告であることがわかる明確なラベルを付け、誰がいくら広告料を支払ったかなどの情報を含めることを義務付けている。
この法案を担当するベラ・ヨウロバー委員は発表文で「選挙は不透明な方法による競争であってはならない。(中略)新技術は(人心)操作ではなく(人民の)解放のためのツールであるべきだ。この法案は、政治キャンペーンに透明性をもたらし、不透明なターゲティング手法を制限する」と語った。
ターゲティングにおける個人データ使用に関する条項もあり、これに違反した場合は加盟国のデータ保護監督当局がEUのデータ保護規則に従って罰金を科すことができる。
現在EUに広告事業での独禁法違反について調査されている米Googleはこの発表を受け、公式ブログで「政治広告に関する欧州の透明性規則の調和を高めるという欧州委員会の目標を支持する」と語った。
米Meta(旧Facebook)はAssociated Pressなどに対し「われわれは長期にわたってEU全体での政治広告に関する規制を求めてきた。欧州委員会の提案が、特に国境を超える政治広告に関する問題に対処することを嬉しく思う」という声明文を送った。
なお、米Twitterは2019年から政治広告を禁止している。
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