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大きなセンサーは正義だ 富士フイルム「GFX50S II」が描くリアルな解像感荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/4 ページ)

» 2021年11月29日 08時36分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 十字キーは無く、親指で操作するセレクターがついている。これは操作しやすくてよい。十字キーを無くしたのは富士フイルムの英断だと思う。おかげで親指を根本までしっかり置いてグリップできる。あれはなくても大して困らないのだ。

 ラージセンサーだけあってボディも大きめなのでしっかりグリップできるのは大事なのである。

十字キーがない特徴的な背面。モニタ右上にあるセレクターが押しやすい位置にあって操作しやすくてよい

 そして右端にある「Q」ボタンを押すとQuickメニューが出てくるのだが、そのデフォルトの構成が富士フイルムらしいのだ。

 16個までセットできて自在にカスタマイズできるのだが、デフォルトでは、ハイライトはシャドウのトーンカーブ、カラー、シャープネスなど画作り関連の項目が多いのだ。フィルムシミュレーションモードやこれらの細かい設定、さらにカラークロームエフェクトなど富士フイルム独自の色の強調設定もある。

 長年、フィルムを開発してきた会社ならではの項目だ。

画作り系の項目が目立つデフォルトのQメニュー。SSKにも注目

 そしてGFX 100Sから追加されたのが「SSK」、スムーススキンエフェクト。肌を滑らかにする機能だ。

 オフ・弱・強あとあるが、オフと強でどのくらい違うのか比べてみたのがこちら。使ったレンズは64mm F2.8。35mm判換算で50mm相当になる標準レンズだ。

左がスムーススキンエフェクトオフ。右がスムーススキネフェクト強。かけすぎない程度に滑らかになっている。

 非常に現代的で実用的な機能だ。

 ただ、1億画素のGFX 100Sに比べればオフで撮ってもいいかな、とは思う。

スムーススキンエフェクトオフで撮影。あずまやの下でやや暗めの環境で撮影。拳を握ってるのはあとからどのモードで撮ったか分かるようにポーズを変えながら撮ったため。前ボケもよし(63mm 1/50秒 F2.8 +2/3 ISO320)

 続いて、SSKを弱に設定して撮った屋外のポートレート。レンズは45-100mm F4で96mm。35mm判だと77mm相当だ。

 このレンズ、大きくて重いけれども、ズームレンジが実用的で、背景のボケ方も滑らかでポートレートによさげだ。

「GF 45-100mmF4 R LM OIS WR」(35mm判換算だと36-80mm相当)とやや大きいけど使い勝手の良いレンジだ
スムーススキンエフェクト弱でポートレート。階調が滑らかで写りはさすがのラージフォーマットセンサーだ(45-100mm 96mm 1/950秒 F4.0 +1/3 ISO200)
数少ない3方向チルト式。こうすることで縦位置での撮影にも対応できる

 背面のモニターは3方向チルト式。縦位置でのチルトにも対応しているのが素晴らしい。みんなもっとこの方式を採用すればいいのにと思う(最初にこれを採用した富士フイルムのX-Tシリーズがバリアングルになってしまったので、今はGFXとパナソニックのS1シリーズくらいだ)。

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