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大きなセンサーは正義だ 富士フイルム「GFX50S II」が描くリアルな解像感荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/4 ページ)

» 2021年11月29日 08時36分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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5000万画素ラージセンサーの高画質を

 ではいろんなシーンで撮影してみたい。

 まずはいつものガスタンク。通常このカットはレンズキットに含まれる標準ズームレンズの広角端を使っているのだが、今回、残念ながら新開発の標準ズームレンズ(GFX 50S IIに合わせて開発された小型軽量のレンズ)が間に合わなかったので、代わりに30mm F3.5の広角単焦点レンズを使った。35mm判換算で24mm相当になるレンズでスリムで写りもいい。

GF 30mm F3.5 R WR。35mm版換算で24mm相当。サイズ感もよく、広角スナップに良いレンズ

 GFX 50S IIが素晴らしいのは、リアルな解像感。たいていのカメラはディテールを見ると「ちょっと輪郭強調かけてるな」感が見え隠れするのだが、GFXにはそれを感じない。ディテールに不自然さがなくいい感じに解像してるのだ。さすがである。しかも自然でなおかつきれいな発色を見せてくれ、階調も豊か。これはよい。

いつものガスタンク。解像感も階調も非常に素晴らしい(30mm 1/600秒 F8.0 ISO200)

 さらに広角レンズを付けてモニターをチルトさせてローアングルで。この花びらが透ける感じや青空の階調がよい。

モニターをチルトさせて秋桜を下から狙って見た。青と緑の発色は秀逸(30mm 1/1100秒 F3.5 ISO100)

 フィルムシミュレーションを使いこなすのは富士フイルムのカメラの楽しさの1つ。こちらは昭和の香り漂う、というか昭和の香りしか漂わないショッピングモールというか、ミニアーケードというか、なんて呼ぶのが相応しいんだか分からないが入口には「丸美ストアー」とある。いくつかは開いている店もあり、新しく入っている店もありで現役の空間だ。それをGFX 100Sから採用されている「ノスタルジックネガ」で。

ノスタルジックな空間を「ノスタルジックネガ」で捉えてみた(45-100mm 45mm 1/15秒 F5.6 ISO200)

 夜の写真もお見せしたい。これは祖師谷大蔵のウルトラマン商店街。街灯がすべてウルトラマンの意匠になっているのが特徴で、それがギリギリまでそぎ落としつつちゃんとウルトラマンだと分かるデザインになっていて素晴らしいのだ。

 この狭くて古い道にバスが現れたのでさっと45-100mmの望遠端で狙ってみた。街灯をきれいにだし夜空を黒く締めたかったので-1 2/3の補正をかけてある。

ISO1600にして望遠で夜の商店街を、街灯が目立つようにマイナスの補正をかけて暗部を締めてみた(45-100mm 100mm 1/70秒 F4.0 -1 2/3 ISO1600)

 ISO感度はISO100から12800までとさほど高くはないが、拡張ISO感度(電子シャッター時以外で設定できる)はISO102400まで用意されている。

ISO400から102400まで感度を変えながら。最下段の3つが拡張ISO感度

 こちらはISO12800で撮影した夜の猫。センサーサイズが大きいのでこのくらいまでは普通に使える。

夜の暗い公園にて。さすがラージセンサー。細かい毛並みは微妙だが、このくらい撮れれば十分使える(45-100mm 100mm 1/15秒 F4.0 -1/3 ISO12800)

 かくして、GFX 50S IIと名づけられていながら、実質GFX 100Sの5000万画素バージョンといえるのがこのカメラ。

 だからボディはバッテリーとSDカード込みで約900gといささか重くはあるが、操作感は撮影性能はフラッグシップ機と同じだし、1億画素必要かといわれると、いやそこまではいらないって人の方が多いだろうし、価格もボディ単体ではあるが50万円を切るという非常に魅力的なカメラに仕上がってるのである。今回は試せなかったが、新しいレンズキットのズームレンズは非常に軽量でコンパクトなので全体の機動力も上がるはずだ。

 クオリティー重視でスナップや風景やポートレートを撮る人なら思い切ってイっちゃうのもいいかも。

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