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大きなセンサーは正義だ 富士フイルム「GFX50S II」が描くリアルな解像感荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/4 ページ)

» 2021年11月29日 08時36分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 2017年、初めてラージフォーマットセンサー(中判センサーと呼ばれることが多いが、富士フイルムはラージフォーマットと呼んでいる。35mmフルサイズより大きいのだ)のミラーレス一眼「GFX 50S」が登場してから4年半。

「GFX 100S」と同じボディの5000万画素版が「GFX 50S II」。大振りだが、そもそもセンサーが大きいのである

 その後継機「GFX 50S II」が出たのである、といっても、よく見るとGFX 50Sとは全然違う。よく見ると、後継機というよりは「GFX 100Sの半分画素バージョン」って感じだ。

 GFX 100Sが1億画素だったのに対し、50Sは5000万画素だから。

 実はここが大事な点。GFX 100Sのあのスゴいカメラ性能を、半分の画素数(といっても5000万画素だ)で半分近い価格(50万円前後)で楽しめるのである。

GFX 50SはGFX 100Sの弟分だ

GFX 50S。レンズは30mm F3.5

 GFXシリーズは35mmフルサイズセンサーより大きなラージフォーマットセンサーを用いた、超高画質なカメラ。

 35mmフルサイズセンサーが「36×24mm」なのに対し、GFXシリーズのセンサーは「43.8×32.9mm」と大きいのである(縦横比が異なるのでそのままでは比較しづらいけど、面積比で約1.7倍)。

 センサーサイズは大きければ大きいほど高価になるけれども、その分画質はぐんと良くなる。ただレンズもその分大きく重くなり、機動力は落ちるのでどうしてもスタジオでの撮影や三脚を立てての風景撮影のようなガチの現場がメインってイメージだ。

 それがくつがえったのが2021年初頭に出たばかりのGFX 100S。なんと、これがすごかった。2019年の「GFX 100」で1億画素+ボディ内手ブレ補正を実現した富士フイルムは、2021年のGFX 100Sでボディの小型軽量化(なんと1kgを切った)と低価格化を実現。手持ちで自在に撮影できる超高画質カメラを実現したのである。

 それから約8カ月で登場したのが今回のGFX 50S IIなわけで、2019年から2021年への展開が早くてすごい。

 そのGFX 50SがまたGFX 100Sとそっくり。

 上が前回のレビューで使った正面からの写真。左にあるのが35mmフルサイズセンサー機だ(ソニーのα7C)。下が同じ並びで撮影したα7CとGFX 50S II。

上が「GFX 100S」と「α7C」(センサーサイズ比較用)、下がGFX 50S IIとα7C

 あきらかに1億画素のGFX 100Sとボディが同じ。大きさも同じってのが分かる。ぱっと見ただけじゃどっちか分からない。

ここにさりげなく「50sII」と書いてある

 そして搭載している5000万画素のイメージセンサーはGFX 50Sと同じもの。GFX 50SのイメージセンサーをGFX 100Sのボディーに入れてそれ用のチューニングを施した弟分なのである、以上。

 で終わってしまっては手を抜きすぎなので実際に撮って確かめてみたい。

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