肝心の2画面動作については、G8X ThinQで体験していた「2つのディスプレイで異なるアプリが同時に動く」という動作は期待通り。アプリを別の画面へ移動するのにスワイプ1回で操作できたり、全てのアプリで2画面を1つの大画面として表示できるなど、2画面の扱いについてはLGよりも洗練されていると感じた。
面白いのが2画面の連携だ。OneDriveの「写真」フォルダに表示された画像を、ドラッグ操作で別のディスプレイに表示したWordに挿入できる。対応はMicrosoft製アプリなどごく一部に限られるが、この仕様が普及すれば2画面ならではのメリットはさらに大きくなるだろう。
2画面スマートフォンで期待されがちな電子書籍の閲覧については、コミックとテキストで大きく分かれる。コミックについては「Amazon Kindle」や「BookLive!」「ジャンプ+」などのアプリを試したところ、作品一覧や表紙など一部の画面で矯正横表示されるものの、作品そのものは見開きで表示されるため実用性は十分だ。
一方でテキストについては、本体中央のベゼル部分も表示領域として扱うため、横書きであれば問題ないが、縦書きの場合は本体中央のベゼル部分にテキストが隠れてしまう。Koboなど一部のアプリは縦書きの見開きでページを分割表示する機能を備えているため、他の電子書籍アプリも対応を期待したい。
前述の通り、中央のベゼル部分は表示が隠れてしまうため、2画面を1つの大画面として使う際の利便性はアプリによってまちまち。地図アプリであればこまめにスクロールして使うこともあり、見えない部分が多少あっても使い勝手はあまり損なわれないし、ブラウザについては縦表示にすればベゼルもさほど気にならない。
しかし、動画については中央に非表示領域があることで明らかに視認性が下がり、映画やドラマなどを見ていても没入感が高まらない。物理的な構造が問題のため解決は難しいが、オプションで「ベゼル部分は表示領域としない」という選択肢もほしいところだ。
2画面スマートフォンとしては十分に魅力的な1台だが、一般的なスマートフォンのように1画面のみで利用する場合は課題が大きい。Surface Duo 2は横幅が92.1mmと大きく、1画面でも片手で操作するには反対側まで指が届かない。背面のカメラは本体よりも少し出っ張った構造のため、ディスプレイを反対側に折り返した際はぴったり折りたためず、カメラの出っ張りの分だけ隙間ができてしまう。
仕様としては十分に満足しているものの、2画面スマートフォンの動作としてはまだこなれていない部分も多く、ホーム画面が落ちたり日本語入力ができなくなったりという不具合が多発している。いずれもディスプレイをスリープ解除すれば復帰できる程度の不具合ではあるが、日本国内のリリースまでに改善を望みたい。
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