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「2画面スマホ」はスマートフォンの未来か 「Surface Duo 2」海外モデルを取り寄せて検証してみたデジタル・イエスタデイワンスモア計画(1/3 ページ)

» 2021年11月30日 18時34分 公開
[甲斐祐樹ITmedia]

 当時としては早すぎた、もしくは理解されなかった過去の製品やサービスを取り上げつつ、今の時代にそれがどう生きているのか、今ならどんな使われ方があるのかという可能性を、甲斐祐樹さんが温故知新で考えます。


 連載第3回のテーマとして取り上げた「2画面スマートフォン」。国内販売されてたほぼ唯一のメーカーだった韓国LG Electronicsのスマートフォン事業撤退により、2画面スマートフォンの選択肢が断たれたかと思われた中、期待の新星として現れたのが米Microsoftの「Surface Duo 2」だ。

photo Surface Duo 2

 前モデルである「Surface Duo」は、技適まで取得していながら日本で販売されることはなかったが、後継モデルのSurface Duo 2は発売こそ米国で先行したものの、2022年前半には日本への導入が決定しており、日本語のWebサイトも開設している。

 「LG G8X ThinQ」の後継となる2画面スマートフォンを求めていた筆者にとって、Surface Duo 2の国内発売は新たな希望の光でもあり、発売日を楽しみにしていたのだが、海外モデルでも技適が取得済みとの情報を入手、勢いあまって海外から取り寄せることにした。

 この連載のテーマである温故知新とは少し離れた内容にはなるが、今回は第3回の続編としてSurface Duo 2を紹介するとともに、過去から現在を超え、スマートフォンの未来について考察してみたい。

「2画面一体型」が魅力のSurface Duo 2

 Surface Duo 2は、2画面が1つの端末として一体化しているタイプの2画面スマートフォン。本のように折りたたむ形状で、開くと左右両側にディスプレイが現われる。G8X ThinQはディスプレイ付きのケースを装着して2画面を実現していたが、Surface Duo 2は本体そのものが2画面の形状になっている点が大きく違う。

 ケースから外すと1画面のスマートフォンとして利用できたG8X ThinQと、画面を折りたためば1画面的に使えないこともないが、基本的には2画面が前提のSurface Duo 2。好みの分かれるところではあるものの、両方を実際に使った立場としては、一体型の方がメリットが大きいと感じた。

 一番の理由は本体のデザインに与える影響だ。ケース型は取り外しできるメリットがある一方で、その機構の分だけ装着時の本体サイズは大きくなるし、必然的にバッテリー容量も小さくなってしまう。Surface Duo 2は開いたときに5.5mmという厚さを実現しているが、これはケース型では無理だっただろう。

photo 一体型ならではの本体の薄さ

 充電時にも、ケースを装着していると専用端子のため充電スピードが遅いというデメリットがあった。これはG8X ThinQの仕様によるものであり、今後登場するかもしれないケース型全てに当てはまるものではないものの、ケースを介さず同じ端子で充電できる一体型の方が使い勝手はシンプルで使いやすい。

 何より筆者の経験として、G8X ThinQをケースから外して使っていたのは主に「充電したいとき」だったというのも大きい。もしケースから外さずに高速で充電できていたのなら、おそらくほとんどケースから外すことはなかっただろう。

 実際に1画面で使っていて「あ、2画面にしたいな」という時にわざわざケースを探して装着して、というのは手間で、結局1画面で操作してしまうことも多かった。いつでも2画面で使えるよう、一体化しているほうが利便性が高い、というのが筆者の感想だ。

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