12月20日から、日本の「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の公開が始まった。マイナンバーカードを使って登録する仕組みだが、登録フェーズがシンプルかつスムーズであることなどもあって、過去の「新型コロナウイルス接触確認アプリ(COCOA)」と比べ、現時点での評判は良いようだ。
一方、マイナンバーカードやパスポートに旧名・別姓が併記されているとアプリからの登録ができない、という制限もあり、物議を醸している部分もある。
あらためて、「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」の位置付けと背景について考えてみたい。
「新型コロナワクチン接種証明書アプリ」(以下接種証明書アプリ)は、デジタル庁が担当する形で開発が進められたアプリだ。
正式に開発の方針が決定したのは8月末のこと。7月末より、主に海外渡航者向けに紙の文書として発行が始まっていた接種証明書について、より簡便かつ速やかに発行できるよう、デジタル化を進めることになった。
筆者も海外渡航を目的に紙の接種証明を取得した経験があるが、市町村の窓口に申請書とパスポートのコピーなど、複数の書類を封書で郵送する必要があり、手間も時間もかかるものだった。接種証明書が手元に郵送されてくるまで、1週間以上かかった記憶がある。
だが、接種証明書アプリを使うと、同じものがほんの数分で発行できる。これは個人・行政双方にとって間違いなくプラスだ。
接種証明書アプリで発行する場合、個人を認証するものとして「マイナンバーカード」を使う。マイナンバーカードのICチップをスマートフォンのNFC機能を使って読み取って認証する仕組みなので、マイナンバーカードとその暗証番号、そして「NFCが読み取り可能なスマートフォン」が必要になる。
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