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» 2021年12月24日 08時00分 公開

「月額5000円乗り放題」にKDDIが“相乗り”する背景 MaaSの将来性と公共交通ならではの課題(1/2 ページ)

KDDIと高速バス大手のWILLERが、オンデマンド型モビリティサービス「mobi」(モビ)を共同で始める。「月額5000円乗り放題」が特徴的だが、通信大手のKDDIが参入する背景と課題とはなにか。

[石井徹,ITmedia]

 KDDIと高速バス大手のWILLERが、オンデマンド型モビリティサービス「mobi」(モビ)を共同で始める。スマホで予約するデマンド交通サービスで、駅や商業施設を起点とした半径約2kmという狭いエリア内で、多くの乗降地点を用意して自由に乗り降りできる点が特徴だ。

KDDIとWILLERが始めるオンデマンド型モビリティサービス「mobi」

 運行経路の設定にはAIを活用。乗客の乗車・降車地点に応じて、自動で調整するようになっている。運行は現地のタクシー・ハイヤー会社などが担い、エリアごとに複数台が運行される。12月末時点で、サービスエリアは東京都渋谷区、愛知県名古屋市千種区、京都府京丹後市の3カ所。2022年には東京都豊島区でサービスを開始予定としている。

mobiのスマホアプリ

 料金プランは1回払いとサブスクリプション(月額制)の2種類を用意する。1回乗車プランは大人300円、子供150円(金額は全て税込)。現金またはアプリ内決済に対応する。特徴的なのはサブスクリプションプランで、各エリアごとに月額5000円。月内なら何度でも利用可能。家族は追加費用を払えば同乗できる。

月額5000円で乗り放題も

 WILLERの村瀬(瀬の右上は刀)茂高社長は、mobiを「自宅から半径2km以内にこだわった移動サービス」と位置付け、子育て世代がベビーカーでの買い物をしたり、高齢者が自宅から駅まで外出したりする際の足としての利用を想定しているようだ。

 KDDIはmobiの発表に併せ、キャッシュレス決済サービス「au PAY」のミニアプリとして、「au Moves」を組み込んだ。各種交通機関の予約から決済まで1つのアプリで完結するというもの。開始当初はWILLERの高速バス予約のみに対応し、その他の交通機関は随時追加予定とされている。

「au PAY」にモビリティのミニアプリが登場

 au Movesの開始記念として、東京〜名古屋・大阪便にて、シェル型シートの「リボーン」を3980円(各便2席限定)、4列シートの「リラックス」を1980円(各便1席限定)で販売する。乗車期間は21年12月29日〜22年1月23日。au Movesで扱う全バス路線を対象に、20%相当のPontaポイントを還元するキャンペーンも実施する。

携帯キャリアが持つ移動データを活用

 これまではWILLERが単独で運営していたが、22年1月からKDDIとの合弁会社「Community Mobility株式会社」に移管。共同運営として展開する。mobiの運営にKDDIが参画したことで、携帯電話サービスの知見を生かしたサービス運営が可能となる。具体的には、エリア選定において携帯電話の移動データを活用する方針だ。

 携帯電話サービスでは、サービスの性質上、ユーザー端末の位置を特定して通信サービスを提供している。全国に数千万人いるユーザーの移動データを、個人を特定できない形で活用すれば、人の移動を可視化できるようになる。mobiではこのデータを使って移動の潜在需要の多い地域を把握し、新たなエリア展開に活用する。

人流データから「コミュニティ移動」を見つける

 全国に2000店舗近くあるauショップの店舗網も活用し、mobiのサービス拡大をサポートする方針だ。具体的には、高齢者向けのスマホ教室の一環として、mobiの使い方を知ってもらう教室を開く予定としている。

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