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ソニー「α7IV」は次世代のスタンダードになり得るか? 進化したところ、足したいところ荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/5 ページ)

» 2021年12月30日 14時20分 公開
[荻窪圭ITmedia]

動画も撮れるカメラから、ハイブリッドカメラへ

 ソニーは最近「ハイブリッドカメラ」という言葉をよく使っている。今までは動画にも強いスチルカメラという位置付けだったのだが、時代が変わり、動画も静止画も等価に扱えるハイブリッドなカメラへ、という意味合いだ。

 ソニーのカメラはα7SIIIやVLOG CAMである「ZV-E10」を経て徐々にそういう方向がメインになりつつある。

 そういう意味で、α7IVはα7IIIと大きく違うのだ。

 細かい操作系でそれを感じる。

 1つは前述した通り背面のモニターがチルト式からバリアングル式に変更されたこと。

 2つめは露出補正ダイヤルがなくなり、代わりにカスタマイズ可能な電子ダイヤルになったこと。デフォルトは露出補正に割り当てられているので今まで通りに使いたい人はそのままで、露出補正ダイヤルは不要なので好きなように使いたいという人はカスタマイズしてということだ。

上から。右肩の露出補正ダイヤルがなくなり、「後ダイヤルL」「後ダイヤルR」なる名前になった。録画ボタンもシャッターの近くへ移動している

 なので電子ダイヤルは全部で3つ。背面のコントロールホイールを入れたら4つだ。

 次の違いは撮影モードダイヤルに「動画」ポジションがなくなったこと。

 その代わり撮影モードダイヤルの下に「静止画/動画/S&Q切換ダイヤル」が付いた。動画をガチで撮る人は動画ポジションで、ってことだ。

「静止画/動画/S&Q切換ダイヤル」がミソ。VLOG CAM ZV-E10で採用された方式だ
背面のデザインはα7SIIIを継承している

 Fnメニューも動画と静止画で別の割当が可能になっている。なので当然動画も強化されている。

 4K/60pなのは当然として、全画素読み出しによる7Kオーバーサンプリングからの4K動画を記録してくれる。

 記録方式もα7 IIIはXAVC SとAVCHDだったのが、XAVC SとXAVC HSとXAVCS S-Iの4種類に進化。XAVC HSは圧縮コーデックにHEVC/H.265を採用し、よりファイルサイズを抑えられるもの。XAVC S-Iは編集用素材に向いているがビットレートが4K/60p時で600Mbpsと高くなるので高速なメディアを用意してくれといわれる。

XAVC HSで撮影した4K動画のスクリーンショット

 メディアはデュアルスロットでスロット1はCFexpress TypeA 兼用だ。

メディアスロット。上のスロットがCFexpress Type-Aに対応している

 本格的な動画撮影には拡張性が重要で、HDMI端子もタイプAを搭載しているし、マイク・ヘッドフォン、USBとそれぞれ扉がついていて必要な端子だけを使える。

HDMI端子はタイプAを採用。その他USB- Type-C、マイクロUSB(これはリモートなどで使う)、マイクとヘッドホン端子がある

 機能面でも撮影時の手ブレ情報をメタデータとしてファイルに格納する機能(それによりあとから手ブレ補正野調整ができる)、対応レンズのみだがフォーカスブリージングを補正する機能など、映像作品を撮影する人に向けてすごく強化された。

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