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「身の丈以上の高級車」を買うときに役立つ、西川善司流「スポーツカーの買い方」指南西川善司の「日産GT-Rとのシン・生活」(3/4 ページ)

» 2022年01月24日 08時00分 公開
[西川善司ITmedia]

車検証上の所有者が金融会社の車をカスタムはできるのか?

 さて、ローン購入した際の、自動車の車検証に記載される所有者と使用者の話題についても触れておく。

 結論から言うと、これはケースバイケースである。

 前述したように筆者は2013年モデルのGT-Rの新車を、頭金60%、残り40%をローン支払いでイオンプロダクトファイナンスのマイカーローンで購入したが、この際は、契約時における筆者の申し入れが受諾され、納車時の車検証に所有者と使用者が筆者の名前となっていた。

 こうしたローン購入の場合は、一律、ディーラーや金融会社の名前が付けられるものと理解している人が多いようだが、これは事前に交渉するとなんとかなったりするので覚えておきたい。

 しかし、今回購入したGT-R Special Editionでは、頭金とローン金額を同率としたにもかかわらず、そうはならず。今回は所有者にイオンプロダクトファイナンスが、使用者に筆者名が記載されることとなった。筆者の希望に応えられなかった理由について、イオンプロダクトファイナンスからは「今回は借入金額が高額なのでそうさせて頂いた」と説明を受けた。まあ、それもそうかという感じである(笑)

 ただ「車両の売却に関しては一報を入れていただければ自由に行って構わない。また、その車両に好みのカスタムパーツなどを付けても何の問題もない」との回答も得られており、筆者にとって不利益なことは事実上ないという感じだ。

 また、前述した残価設定型クレジットだが、こちらも多くの場合が所有者はディーラーや金融会社となる。こちらの場合、車に対するカスタムはメーカーやディーラー、車種によっても違うようだ。日産によると、GT-Rの場合は、残価設定型クレジットの購入車両でも、日産純正オプションやカスタムパーツ、nismoのスポーツリセッティングコンピュータのようなチューニングパーツは取り付けが可能だという。社外品についてはケースバイケースのようだ。

任意保険はどうする?

 自動車購入時に忘れてはならない任意保険についても触れておこう。

 自動車購入時には任意自動車保険への加入が欠かせない。安く済ませたいのならば通販型のダイレクト保険がお勧めだが、所有車両がGT-Rで、これを車両保険に満額で適用させようとすると、通販型ダイレクト保険は全滅である(笑)

 というのも、通販型ダイレクト保険では、そもそも車種を選ぶ欄に日産の項目にGT-Rが記載されていないことが多いのである。筆者の調査範囲ではソニー損保、イーデザイン損保、おとなの自動車保険(セゾン自動車火災保険)辺りは、所有車種選択欄においてGT-Rが選べるが(グレードは選べない)、車両保険保障額は1000万円辺りが上限となっている。

 日産GT-Rは、最も基本グレードであるPure Editionでも1000万円を超えているので、通販型ダイレクト保険では、GT-Rでは全損時の車両価格の満額補償はなされないということである。

 自分の場合は、対人や対物の補償を手厚くし、自分の車両についてはローン負担額面分がカバーできればよいとして、車両保険は上限の1000万円としたうえで、おとなの自動車保険(セゾン自動車火災保険)を選択した。下記の契約で20等級割引適用で年額7万1950円となった。

photo 筆者の「おとなの自動車保険」契約事例。自損まで保証される一般条件の車両保険付きで7万1950円。筆者はS660も所有しており、そちらも同じ「おとなの自動車保険」なので「弁護士特約」を初めとした一部の特約項目は重複契約とならないようにわざと外してある(S660側で契約している特約が、こちらの車両にも適用されるため)

 ちなみに、GT-R nismoの車両本体税込価格である2420万円が満額補償される一般条件の車両保険付きとして損保ジャパンの見積もりが下記になる。

photo 損保ジャパンでの見積もり。2021年6月時点の見積もりで、当時は車種項目に「GT-R nismo Special Edition」がなかったために、車両保険金額も仮のものとして「GT-R nismo」のものが記載されている

 こちらは20等級割引適用で約17万8000円。

 前出の見積もりと大きく違うのは自分の車両のカバー額だけ。相手が存在するものについての補償には大きな差はなし。

 どちらにするかは、人によって判断の分かれるところだろう。

 まあ、自分が選んだ「おとなの自動車保険」の契約でも、相手がいる事故ではその相手に対する補償は手厚いし、相手のいない自損事故で全損した場合にのみ、自分のローン残額を返して手元に何も残らず……ということになるが、それは自損事故に対する車両保険を掛けない場合と大差はないので、自分ではこれで良いかなと思っている。全損しない場合の、修理可能な自損事故については修理費は最大で1000万は出るわけだし。

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