さて、この原稿を執筆している最中、2022年1月16日のこと。めでたく、筆者のGT-R nismo Special Editionが納車となった。
この連載に対して「いつになったら実車の話題が出てくるのか」とだいぶ突っ込まれてきたが、すみません、車が手元になかったのもので引き伸ばさざるを得なかったのです(笑)
実際に正式契約したのは2021年8月26日のことになる。納車は2022年1月16日だったので約5カ月待ちだったことになる。ディーラーの担当者によれば、筆者在住地域では一番早い納車だという。
実は、コロナ禍に端を発した物流の混乱と半導体不足の影響でGT-Rの基準車やT-SPECの製造が遅れ気味となり、代わりにGT-R nismoおよびSpecial Editionは生産が前倒しになったそうで、筆者の車両は12月上旬には製造が完了していたのだとか。筆者の都合で、8月の契約時に1月中旬以降の納車でお願いしていたので、つまり、筆者のGT-R nismo Special Editionは1カ月間もディーラー側で眠っていたことになる。
最後に、筆者のGT-R nismo Special Editionの注文書を公開しよう。
せこいと言われそうだが、購入に際して削れるコストは全て削っている(笑)
「車庫証明手続き代行費用」「希望ナンバー申込代行料」は、自分で手続きすれば削れる。「納車費用」は車を自分で取りに行けば削れる。ということで、これで総額2万8000円を削った(笑)
2013年モデルの時はフロアカーペットは安価な社外のものを購入したが、今回は、贅沢にも純正の赤色のGT-Rロゴ入りを選択してしまった。GT-R nismo柄もあったのだが、少し地味と感じたので選ばず。
あとは、税金などの定番諸費用ばかりだが、おそらく「なにこれ、高っ!」という項目があることに気が付いただろうか。
約60万が計上されている「環境性能割」だ。知っている人も多いとは思うが、最近、自動車を買っていない人にとっては目新しい税目だと思われるので解説しておこう。
結論からいえば、「自動車政治の闇」である(笑)
2019年から消費税が10%に引き上げられたことを知らない人はいないと思うが、このタイミングで「消費税と性質の似通った自動車取得税が自動車購買者に課税されるのは二重課税でひどい!」という自動車業界からの猛反発に遭った当時の政府は「自動車取得税の廃止」を決定している。しかし、これでは終わらず、「税収が減っては困るので……」ということで、名目を変えた「環境性能割」という、なんだか言葉の響きだけは「お得」そうな新しい税目が設定された。
これは名目を変えただけで、性質はそれまでの自動車取得税と同じ。言葉の響きから「燃費のいい車に対しての税金が安くなる」というイメージがあるが、むしろ逆で「スポーツカーのような燃費の悪い車には重課税をしましょう」という新税になる。
計算方法は「課税標準基準額×税率」で求められる。税率はその車の「燃費の悪さ」によって0%〜3%が定められており、当然、GT-Rは最もお高い3%となっている。
ややこしいのだが、課税標準基準額とは、
「消費税抜きの車両本体価格」×90%
で計算される。この「90%」という値の根拠は、販売店で定価に対して最大10%などの割り引きが行われたことなどを想定した計算式らしい。
GT-R nismo Special Editionの場合は、
税抜き価格2240万円×90%×3%=60万4800円
となっているわけである。
実は、この新税目「環境性能割」は、2021年内までは、その施行に関する臨時的軽減措置として1%の税率軽減が受けられた。もし今回、筆者が2021年内に納車を受けていれば、上の計算式で税率を2%にした40万3200円で済んだのであった。2022年からはもうそうした軽減措置はなくなっている。
前回で取り上げた「R51-03規制」だけでなく、新しい税目「環境性能割」によっても、純ガソリンエンジン搭載スポーツカーは、存在しづらくなりつつあるわけである。
話が長くなりすぎたので、今回はこの辺で。
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