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厳しい戦いを強いられるTポイント 競争激しい共通ポイントの今を決済ジャーナリストにいろいろ聞いたヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(3/4 ページ)

» 2022年01月27日 15時00分 公開

地域通貨とポイント戦略

ヤマー ポイント関連やキャッシュレス決済で面白い動きはありますか?

Jさん このあたりは取材している段階なのですが、地域通貨とポイントの関係です。

ヤマー 地域通貨ですか。

Jさん 地元経済還元のために自治体が予算をばらまくのですが、いかにそれを実際に利用してもらって、地元の商店で使ってもらうかでいろいろ頭を悩ませているという話です。地域通貨はその手段ですが、いちいちそれを受け入れるための設備などの投資負担を地元商店にお願いするとお金が余分にかかり無駄が多い。

マツ ああ、例えば練馬区ではPayPayでやってますが、そんな感じで取り合いがあるわけですね。

Jさん それです。決済事業者の限定マネーとして配るというケースです。以前に、ルパン三世の作者のモンキーパンチが出身地の北海道浜中町を取材したことがあって。そこで「ルパン三世Pay」ってのを導入していたのですが、それはかなりレアなケースです。実際には、大手事業者の決済サービスと組むことが多い気がします。例えば神奈川県が横浜銀行のはまPayと組んだり。

マツ それは盗まれそうな。マネーとしていかがなものかとw

ヤマー ネーミング直球過ぎませんかw

「ルパン三世Pay」

Jさん タブレットは無料配布。プリンタのみ自費。

ヤマー これ完全にオリジナルの決済サービスなんですか。

Jさん そうです。もともと地域のスタンプっていうのがあったのですが、それをペイメントサービスに作り替えたのです。すごいのは、浜中町内のセイコーマートでも使える点です。

ヤマー コンビニで地域通貨が使えるってすごいですね。

Jさん 小さな漁村なので、使える店舗数も50-70とかその程度ですが、ポイントのコントロールをしたければ、これくらいやるところもあるという例で、国の補助金を使っています。

ヤマー ルパン三世Payは効果はあったんですか?

Jさん 効果測定はまだ途中ですが、利用は想定程度には使われているようです。最初に残高チャージしたカードを各家に配って、使い方の説明もして。

ヤマー サポートが手厚い。

Jさん 結局、町内に大きなスーパーとかがなく、みんな片道1時間以上とかかけて釧路みたいな都市部のイオンやモールに行ってしまうので。それを地元還元するための苦肉の策のようです。

ヤマー 独自のポイントシステムもあると。

Jさん もともとスタンプだったのですが、スタンプだと最後まで貯まらないと使えないうえ、機械が古すぎてメンテできなくなったとかで。

マツ スナックでもチャージできるとか、いいですね。

Jさん 地方都市なので、本当に地域密着という感じでw

マツ 旅行に行ったらそこの地域電子マネーを使う楽しみがはやったりして欲しいですね。その後はオンラインショッピングでも使えたりして。

Jさん 枚数は限定的ですが、ルパン三世Payはカード自体がコレクターズアイテム的に機能することを想定しています。

「ルパン三世Pay」カード

マツ かつてのテレカ。

ヤマー なるほど、IPにゆかりのある自治体はいろいろ使いみちがありそうですね。

Jさん 版権ものですが、一応先方の特別許可ももらっているということで。

ヤマー そこは抜かりなくと。

PayPay×自治体のキャンペーンは都心で効果あり

Jさん PayPayのケースですが、地域通貨の提案が毎回くるけど、それを全てポイント配布で提案しているとのことで、それとは対照的ですね。独自ポイントでまわすより、それを目当てに周囲から客が集まる方が効果あるよというのがPayPayの意見。実際、東京あたりだと、そちらの方が客が集まりますよね。

ヤマー 自社のサービスが浸透しているからこそできる提案ですよね。

Jさん 逆に、浜中町みたいに行くこと自体が大旅行になるケースだとそれも難しい。

ヤマー 通貨自体に何か集客効果があるものでなければ、導入の効果が薄いと。

Jさん はい。ポイントプログラムの使われ方の最近の例ですね。PayPayあたりだと同時に数十個レベルでキャンペーンが走っていたりしますが、そうした事情を反映したものになっています

ヤマー 中野区で年末あたりPayPay支払いで30%ポイント還元のキャンペーンをやってたので、中野のじゃんぱらでSDカードを2枚買いました。

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