コロナ関連の連日の報道を見て、週末の予定を中止しようとカレンダーアプリを起動した。記者は普段、iPadのカレンダーアプリで予定の管理を行っている。直近の予定の確認をしているとき、ふと突然「このカレンダーの終わりはあるのか? あるとすればいつなのか?」という疑問を抱いた。
「人の平均寿命はだいたい80歳ほどと聞くし、2100年ぐらいまではあるのだろうか。それだと区切りが悪いから3000年、もしくは5000年か?」そんな軽い気持ちで、iOSのカレンダーアプリの終わりを確認してみることにした。
確認といってもやることは単純でひたすら画面をフリックするだけ。念のため、先のカレンダーに一瞬で遷移できる機能がないか探したが、記者が確認した範囲ではそれらは見られなかった。そのため、1月から12月までの日付が一覧で表示される「年」のタブにカレンダーを設定し、ひたすら画面をフリックすることにした。
まず気付いたのが、2024年以降はまだ祝日が設定されていないことだ。2023年までは「元日」などの記入があったが、2024年以降はそれらが見られない。その後は特に発見もなく、フリックを続けてあっという間に2100年や3000年、5000年は過ぎていった。「そうすると9999年までか」と思ったが、なんとそれすらも超えて、西暦1万年を目の当たりにすることになった。
その後もまだまだ先は続く。「嫌な予感がしてきたぞ」。その予感は的中し、2万年、3万年、4万年……と時は進み続けた。アプリに同期していた知り合いの誕生日はいつまでも表示されており「〇〇さんの5万28歳の誕生日」と、徐々に悪魔のような年齢に近づいていった。
操作する腕や指もいい加減限界で、気付けばかなり時間も経過している。いつか終わることを願いながら、なんとか9万9999年に到達した。さすがにこれで終わり……ではなく、やはり西暦10万年のカレンダーを表示した。
「このカレンダーに予定を書き込む人類は果たしているのだろうか」──自分は言うまでもなく、そもそも人類の存続すら危うい、なんてSFめいたことを考えているうちに、誤って画面上にある「今日」の部分をタップしてしまった。不慮の事故により、2022年1月に帰って来ることができた。
念のため、仮の予定を入れることで後からその時点までタイムリープできないかと考えていたが、検索欄が表示するイベント結果は2023年中までのものだった。
iOSに完敗(?)してしまった悔しさもあり、Googleカレンダーでも確認してみることにした。Webアプリ版では、URLの一部に日付が入っている。つまり、ここを変えれば自由に時を操れるのだ。「ちょろいな、Google」と思いながら検証を続けると、9999年以降の日付を入れると、自動的に9999年に遷移してしまうことが分かった。
これでカレンダーに対しリベンジ達成……と思いきや、9999年のカレンダー画面で「翌年」をクリックしてみると、西暦1万年のカレンダーが現れた。
「まさか、やはりこの先が──」。そんな恐れを抱きながらさらに翌年をクリックすると、西暦1万1年が目の前に。URLでの指定ではたどり着けないものの、地道なクリックを続ける者に、Googleは道を示すようだ。
カレンダーアプリの限界。それは、人が踏み入ることを許さない“禁足地”なのかもしれない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR