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「Z 9」にニコンの本気を見た 容赦なく詰め込まれた最新技術で撮影が快適に荻窪圭のデジカメレビュープラス(2/4 ページ)

» 2022年01月29日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 まず被写体自動検出。人物、犬、猫、鳥、車、バイク、自転車、列車、飛行機の9種類を自動検出してくれるのだ。メニュー上では「犬・猫・鳥」は「動物」、「車・バイク・自転車・列車・飛行機」は「乗りもの」ジャンルなので選択肢は3つなのだが、9個から自動検出することも、それぞれのジャンルを優先して検出することもできる(後者の方がちょっと確実性が上がるようだ)。

 どれもリアルタイムにトラッキングしてくれる。

被写体自動検出はオートの他、3種類から選ぶこともできる

 人物はまあいうまでもないですな。瞳のみならず「人物」認識をしてくれるので外さない。

瞳を検出中の図。上部に「人と猫とA」が並んだアイコンがある。これが被写体自動検出の印

稲荷の前でキツネの印と一緒に階調が滑らかで日陰にありながら肌の発色も自然でいい(24-70mm 70mm 1/160秒 F2.8 ISO200)

 動物からは「鳥」を撮ってみた。海に浮かぶ船でくつろいでたアオサギ。鳥の瞳検出はこのくらいの距離がギリギリっぽい。

かなり遠くでボートで寛いでいるアオサギを発見。きっちりアオサギの顔を見つけてくれた
ボートの上のアオサギ。DXサイズにクロップすれば良かったと今になって思う。広島県鞆の浦にて(70-200mm + 2x テレコンバーター 400mm 1/400秒 F5.6 ISO450)

 レンズは70-200mmに2xのテレコンを付けている。

Z 9に「NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S」+「Z TELECONVERTER TC-2.0x」を装着。「NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S」が間に合わなかったためこの構成で挑戦した

 続いて「乗りもの」。こちらはフロント部分を見つけると四角い枠がでて捕まえてくれる。あとは走ってくる姿を連写するだけだ。

入線してくる新幹線を連写した中の1枚。きっちり追い続けてくれるので安心して撮れる。WBは自然光オート(24-120mm 120mm 1/800秒 F4 ISO100)

 レンズは2022年2月に発売予定の「NIKKOR Z 24-120mm F/4 S」だ。Fマウントユーザーにはお馴染みの24-120mm F4であり、やっとそのZマウントバージョンが出た、と歓迎してる人も多いに違いない。

24-120mm F4の標準ズームレンズ。比較的コンパクトでZ 6やZ 7系の標準ズームとしておすすめしたい

 そして、動体を撮影するのに欠かせないのが新たに搭載された「3D」トラッキング。D6ではお馴染みのトラッキングAFだが、初めてミラーレス一眼にやってきたのだ。

 これで被写体をつかまえてやればほぼ食いついて離さないのであとは構図を決めて撮るだけ。

 AF-Cで3Dトラッキングにして、AF-ONボタンでトラッキングしながら構図を決めて撮るってのも便利で、今回はほぼAF-Cモードで撮っている。

3Dトラッキングとは関係なさげなスイーツの写真だけど、ピントを合わせたい箇所を先に決め、構図や画角はそのあとで調整しながら撮るってのはなかなか快適なのだ(24-120mm 83mm 1/100秒 F5 ISO640)

 つまるところ、容赦なく詰めこんだ最新最速の技術が撮影を快適にしてくれてるのである。

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