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「Z 9」にニコンの本気を見た 容赦なく詰め込まれた最新技術で撮影が快適に荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/4 ページ)

» 2022年01月29日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 Z 9の基本画質に関しては特にいうことはない。もう十分高画質だし、安定している。

年末に撮影した竹を使ったオブジェたち。光り方がきれいだったので狙ってみた。赤みをきれいに出すためWBは自然光オートを使用した(24-70mm 70mm 1/80秒 F2.8 -0.3 ISO900)

 ISO感度はISO64から25600で拡張ISO感度でISO102400まで上げられる。ISO800からISO102400まで撮影し、部分拡大して並べて見た。

ISO800から拡張ISO感度のISO102400まで。拡張ISO感度に入るISO51200からぐっとノイズが増えてるのが分かる

 ISO25600で撮った写真はこちら。瀬戸内海の小さな漁港でF8まで絞って(後ろに見えるライトの光条を出したかったので)手持ちで撮影してみた。

夜の港。光条を出すべくF8に絞り、風で揺れる大漁旗があまりブレないようシャッタースピードを維持して撮ってみた(24-120mm 99mm 1/40秒 F8 -3.7 ISO25600)

ボディの使いやすさはさすがのニコン

 ここからはボディや操作系の話。フラッグシップ機ならではの頑丈で快適に操作できるボディ。それはニコンが得意とするところなのだが、これがまたいいのである。ボタン1つ1つの大きさや配置、押し込むときの力、ダイヤルを回したときの剛性感やクリック感からしてニコンだなあって感じで、これを触るとZ 6/7がちょっとハンパに見えてしまう。

 ボディの写真を見つつその辺の話をざっくりと。

 まず正面から。

 見ての通り、D6を受け継ぐフラッグシップ機なので縦位置グリップは一体型だ。センサーの前にはシャッターが……。実はこれ、シャッターじゃなくてセンサーを保護するためのシールド。電源をオフにするとこれが降りてセンサーを保護するので苛酷な屋外でのレンズ交換時に安心だ。

縦位置グリップ一体型。センサーシールドと、マウントの向かって左に並ぶFnキーも重要。これが押しやすい絶妙な位置にある

 マウントの横にD6と同様にはFn1からFn3のボタンがある。Z 6/7もマウントの脇に2つのボタンがあるが、こちらの方が位置的にも押しやすい。

 グリップ部には前ダイヤル。グリップした感触やダイヤルの操作感、シャッターの押しごこちはD6や「D850」といったDシリーズのハイエンド機と同じ感覚。長年培ってきた一眼レフの良いところを継承した感がある。

 左側面にはフォーカスモードボタンと各種端子類。

左側面。斜めにカットされた位置にフォーカスモードボタンがある
さらに各種端子類とバッテリー。バッテリーはD6と同じものだ。撮影可能枚数は約700枚(パワーセーブオフでファインダー撮影の場合)。でも実用上1000枚はいける

 右側面はカードスロット。CFexpress Type AとXQDに対応している。

デュアルスロット。この写真ではそれぞれのスロットにCFexpressとXQDカードを入れてある

 上面のボタン構成はほぼD6だ。

左肩のボタンの内容やサブパネルの大きさがD6とは異なる
左肩にはレリーズモードダイヤルがある。この写真のポジションにすると全レリーズモードにさっとアクセスできて便利

 背面は縦位置グリップ用のサブセレクター(AFポイイントを動かすためのスティック)やAF-ONボタンなどを覗くとけっこうシンプル。ボタン配置も考えられており、再生、再生時の拡大縮小ボタンの位置もアクセスしやすくていい。ボタン配置にはけっこう感心した。

背面から。縦位置用の操作系もしっかりある。そしてMENU、再生、拡大、縮小の4つのボタンがこの位置にあるのがいい。縦でも横でも右手親指でさっとアクセスできる

 縦位置グリップの使い勝手もなかなかだ。

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