ゆうちょ銀行が1月17日から、硬貨の預け入れなどの際に手数料を取るようになった。この影響を大きく受けるのが寺社仏閣だ。さい銭箱にたまる大量の小銭を預けようとすると、手数料の負担が大きくなってしまう。そんな中、大阪府交野市にたたずむ住吉神社の取り組みが話題になっている。小銭を手放したい神社が、逆におつり用の小銭を求める商店に対して両替サービスを始めるというものだ。
サービス名は「コインチェンジ」。商店から紙幣を受け取り小銭を渡すシンプルなサービスだが、両替手数料は無料。神社にとっては小銭を減らして手数料負担を軽減でき、商店にとってはおつりの両替コストを抑えられる、一石二鳥の取り組みとして話題になっている。サービス開始は2月13日。
住吉神社は近年、2つの悩みを抱えていたという。一つはどうすれば参拝者を増やせるか。もう一つは硬貨取扱手数料の問題だ。
「もともと、参拝者が増えないかなと考えていたのと、以前から小銭の預け入れに手数料がかかるようになっていたのとがサービス考案のきっかけです」(住吉神社)
硬貨の取扱手数料は、ゆうちょ銀行以外の銀行でも数年前から導入が始まっている。少額硬貨の場合、預け入れる額面に対して手数料の負担割合が大きくなり、場合によっては赤字になる可能性もある。
他方、商店にも手数料負担がある。おつりを用意するためには多量の硬貨が必要になるが、両替にも手数料がかかる。
そこで住吉神社は、地域の人々と協力してコインチェンジのサービスを独自に作り上げた。住吉神社は商店の人々が両替に来ることで「これで参拝者が増えればいいなと」期待を寄せている。
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