経歴だけは長いベテラン記者・編集者の松尾(マツ)と、幾つものテック系編集部を渡り歩いてきた山川(ヤマー)が、ネット用語、テクノロジー用語で知らないことをお互い聞きあったり調べたりしながら成長していくコーナー。交代で執筆します。
マツ いやー、びっくりしました。英単語推測ゲーム「Wordle」の電撃的な買収撃。ゲーム業界は動きが早いですね。
ヤマー まさしくアメリカンドリームですよね。
マツ New York Timesが、それで利益を得る目的ではなく買収し、安定した運営で提供するというのがにくい。
ヤマー NYTのクロスワードパズルが大好きな恋人のために開発したって動機も良いですよね。そして本家に買収されると。
マツ ああ、そうなんですね。それでこんなタイトルのNew York Timesの記事が書かれたわけだ。
ヤマー ですです。まるっと話がキレイですよね。
そして、ゲームで買収といえばもっとびっくりしたのがSony Interactive Entertainment(SIE)による米国のゲーム開発企業「Bungie」の買収ですよ。
マツ はい。これは、長年のライバルの元奥さんと結婚したって話ですよね。これもラブストーリーか。
ヤマー 一時期、Microsoft傘下でしたもんね。Haloを置き土産にMicrosoftから離れて、DestinyシリーズとかでSIEと良好な関係築いてるようですし。
マツ いやー、BungieがMicrosoftに買われたとき、僕らは恨み骨髄でしたからね。
ヤマー あれ、マツさんが恨むってよっぽどですね。
マツ 出るって言ってたゲームを出さずに、Xbox向けに出したから。Haloって、もともとMac用に出すって話だったんですよ。
ヤマー あ、なるほど。確かにXbox専売ゲームですよね。私がBungieを知ったのはHaloからでした。
マツ 1999年のMacworld Expo基調講演でデモまでして、「ああ、Macにも3Dシューティングの本格的なブームがやってくる」って期待していたのにあなた。
ヤマー その頃のMacってAMDに買収される前のATIと仲が良くて、iMacや出たばかりのiBookにRAGEシリーズ(RADEONの先祖)を搭載してましたよね。その3D性能を使ったキラータイトルになる可能性があったと。
マツ Bungieが人気ゲーム会社になったのは、Mac用の3Dゲーム「Marathon」からで。
ヤマー あ、Marathon聞いたことあります。Bungieだったんですね。
マツ キャラクターが上下する動きがリアルすぎて酔っちゃうということで、「マラソン酔い」という言葉まで生まれていた。ちょうど今のVR酔いみたいな感じで。
ヤマー どんな動きですかw
マツ スタビライザーでも抑えられない、上下の動きです。歩いているときの。
ヤマー しかし、Mac向けのタイトル結構出してたりで、AppleユーザーにとってBungieは結構近い存在だったんですね。
マツ はい。救世主的な存在だったのに、当時は敵だったMicrosoftに掻っ攫われたという。
ヤマー そのApple、当時敵だったMicrosoftから1億5000万ドルの出資を受けたりしてましたけどね(笑)。
Microsoft買収以降は、Apple向けのゲームは出さなかったんですか?
マツ HaloはXboxオンリーだったからね。Xboxの今の屋台骨を作り上げた偉大なタイトルとなりました。
ヤマー 今回のSIEによる買収はちょっと状況が異なりますね。マルチプラットフォームが当たり前になったので、PlasyStation以外もゲームを出しつ続けるとアナウンスされてましたし。これはActivision Blizzardも同じですが。
マツ しかし、Haloの権利はMicrosoftに残したまま独立したから、PlayStationに来るという話ではない。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR