連結子会社2社の事業活動を停止し、破産手続きの準備を始めたオンキヨーホームエンターテイメント(旧オンキヨー)。株主向けの説明からは世界的な半導体不足などの影響もあり苦しい状態にあったことが伺える。
オンキヨーは21年9月のホームAV事業譲渡後も「小さくても収益の出る会社」を目指し、事業と雇用を維持するために構造改革や資金調達から協業、事業譲渡の可能性までを含む広範囲の交渉を行ってきたという。しかし世界的な半導体不足に加え、資材高騰、輸送費の値上げといった外部環境が大きく影響し、提携先は見つからなかった。
2社が担当していた国内販売事業とOEM事業はコロナ禍の影響もあって赤字。オンキヨーは「既存事業全体の資金繰りとしては限界を迎えた」として、破産手続きを決断した。「損失をさらに拡大することになりかねない」としている。
オンキヨーホームエンターテイメントは今後、ホームAV事業を譲渡したオンキヨーテクノロジーからの手数料収入や関連会社の管理業務受託が主な事業内容となる。マレーシアにある生産工場の扱いなどグループ全体の方向性については検討中で、決定後に改めて公表する。
オンキヨーホームエンターテイメントは国内オーディオ市場がシュリンクする中、2009年のインベンテック、12年のGibsonなど過去12年に渡り事業を維持するために提携先を模索してきた。しかし20年3月期末からの債務超過が解消できず、21年8月1日付で上場廃止に。9月には米VOXX Internationalの子会社であるPREMIUM AUDIOとシャープが合弁で設立したオンキヨーテクノロジーにホームAV事業を譲渡している。
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