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消えゆく名門オンキヨー 音楽に浸る時間は増えたけど様変わりした“聴き方”ヤマーとマツの、ねえこれ知ってる?(1/4 ページ)

» 2022年02月14日 19時30分 公開

 経歴だけは長いベテラン記者・編集者の松尾(マツ)と、幾つものテック系編集部を渡り歩いてきた山川(ヤマー)が、ネット用語、テクノロジー用語で知らないことをお互い聞きあったり調べたりしながら成長していくコーナー。交代で執筆します。

ヤマー オンキヨーの子会社2社が破産申請というニュースが先週ありまして、結構衝撃を受けました。

マツ これ、よく分からなかったんです。子会社がなくなっても、本体が残るならいいじゃんとか思っていたけど、そういう問題ではないというね。

ヤマー そうですね。オンキヨーホームエンターテイメントが持っていたパイオニアブランドを含むホームAV事業は、2021年9月にシャープとVOXXの合弁会社に譲渡されまして。

 オンキヨーホームエンターテイメントの傘下にあった2社が今回破産申請したという形ですね。オンキヨーマーケティングは販社、オンキヨーサウンドは音響機器のOEM事業を手掛ける会社でした。ハイレゾ配信の先陣を切った「e-onkyo」もフランスの会社に譲渡済みなので、オンキヨーホームエンターテイメント自体はもうもぬけの殻に近いですが…

マツ もう売れるものは残っていなかったということか。

ヤマー オンキヨーホームエンターテイメント自体は、譲渡したオーディオ事業の手数料収入などがあるので、これからも存続するみたいです。

マツ 商品がない状態で存続している商店みたいなものだね。これは苦しい。

ヤマー そうですね……。IRには外部からの管理業務の委託などもやっていくとあったのですが、正直何を事業として続けていくのかははっきりしないですね。

マツ ロゴとか製品フィギュアを売るとか、そのくらいですかね。

ヤマー 製品フィギュア……。アニメコラボとかはよくやってましたね。

マツ e-onkyoとか、やることは早かったよね。

「e-onkyo music」は、Qobuzを手掛ける仏Xandrieが運営する

ヤマー ハイレゾ配信ですよね。結構力入れてた印象です。ソーテック買収して、専用の音楽PCとかも出してましたし。

マツ 僕はオンキヨー製品は買った記憶はないんだけど、ONKYO PIONEERダブルブランドの高級Lightningイヤフォンならしばらく使っていたことがある。

 そういえば、パイオニアはMac互換機を出してたので、持ってましたよ。GX-1とかいうの。すっごいいい低音が出るスピーカーを搭載してるPowerPCマシン。

ヤマー また、懐かしいものをw 一時期ありましたよね。Mac互換機。Akaiとかもあった記憶。あ、AkaiじゃなくてAKIAだ。

マツ ワハハw 確かに似てる。

ヤマー あの頃ですよね。「Pippin ATMARK」って。

マツ ですね。ジョブズが全部なしにしてしまった。

ヤマー 今Mac以外のハードでmacOS動かすならHackintoshするしかないという……。

マツ Mac互換機を作っていた別のメーカーの社長さんと飲みに行ったときに聞いた話なんだけど、この頃のMac互換機って結局のところIBMが作っていて、互換機メーカーはIBMから買っていたと。そのIBMにジョブズから中止命令が来て、販売できなくなっちゃったって。そのメーカーもその後すぐ倒産した。

ヤマー え、なんかとんでもない情報が出ましたね? PowerPCの元締めがコントロールしてたんですね。

 話戻しますけど、オンキヨーの一連のニュース、音楽を聞くスタイルの変化を表している出来事だなと思っていて。

マツ ほうほう。僕らは今、かつてないくらい音楽を聴いてますけど?

ヤマー そうなんですよ。音楽を聴く機会って昔よりもっと増えてるはずなのに……ですよね。

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