マツ ヤマーは、その辺のオーディオ好きな部分ってどうやって醸成されたの?
ヤマー そうですねぇ……。中学生でDENONの「ef」ってシリーズのハイコンポを買ったのがきっかけですね。スピーカー、レシーバー、CDプレーヤー、MDプレーヤーのセットで。
定価15〜6万だったんですが、ベスト電器のアウトレットで確か6万円で売られていて。親が「デンオンは良いぞ!」(当時は呼称がデノンに切り替わる直前)というので、援助してもらって買いました。大学まで使いましたが、今も実家で音楽を奏でてます。
マツ ハイコンポ。何がハイだったのか。Hi-Fiだから?
ヤマー なんでしょうね……。Hi-Fiなのかハイエンドなのか……。
思えば、オーディオ機器はフルサイズ→ハイコンポのあと、主流はミニコンポに移りましたね。アンプもCDもMDも一体型でより低価格。その時代までオンキヨーは割と元気だった気がします。
マツ ああ、CDもMDも既にあった時代か。僕の場合はパイオニアのコンポが最初で、それにはレコードプレーヤー、チューナー、アンプ、それとスピーカーのセットだった。あ、この時はヘッドフォンもパイオニア製。
ヤマー お、マツさんがっつりパイオニアユーザーだったんですね!
マツ コンポの中ではエントリークラスだったけど、フルサイズだった気がする。それはかなり後々まで使えたので、モノはすごく良かったですね。
ヤマー いつ頃の製品ですか?
マツ おそらく1973年くらい。
ヤマー おぉ……今だと立派なビンテージですね。逆に需要がありそうな。
マツ もう残ってないですよw 父親が米国出張に行って、タワーレコードでレコードを買ってきてくれたんだけど、再生するものがないってんで買ってもらった。
これらを一体化、小型化したミニコンポが出てくるのはさらにちょっと後なんだけど、パイオニアのPrivateってのがデザインが良くてねー。買えなかったですけどw
ヤマー お、かっこいいですね。バブルっぽい香りもします。
マツ バブルのだいぶ前でしたけど、まあいい時代でしたね。さっきヤフオクで調べてたら、モノがあって、思わずポチりそうに。
ヤマー マツさんの家、たたでさえスピーカーだらけなのにw
ヤマー ちなみに、ピュアはピュアで市場は元気なんですよね。ただ、昔と違って高級メーカーも、普及価格帯の戦略商品を出すようになってきて、コスパの良いオーディオ製品を出しているメーカーにしわ寄せが行ってるのかなと。それこそオンキヨーとか。
マツ なるほど。スマートスピーカー対応とかもがんばってたのにね。
ヤマー そうですね。他にもAndroid搭載のハイエンドオーディオプレーヤーとか、Bluetoothイヤホンとか、高価格帯を狙ってカスタムインイヤーモニターとかもやってましたけどね。
マツ あとは強いブランドとかストーリーとかがないといかんということかな。ONKYOもPIONEERも強いけど、たくさんある日本のオーディオブランドの1つだし。
ヤマー もちろんオンキヨーもパイオニアもモノは良いんですが、ピュア向けのスピーカーは嗜好品ですし、海外の高級メーカーが戦略モデルを出すようになってからは影が薄くなってしまいましたね。
例えば、デンマークのDALIはなかなか手が届かないメーカーでしたけど、「SPEKTORシリーズ」なんてペアで2万円台で買えますからね。しかもちゃんと音が良い。最近だと、イタリアのソナス・ファベールがペア10万円ちょいで出した「LUMINA I」がかなり売れているとか。
そして、カジュアルに聞きたいなら箱型のスピーカーは大きすぎるという……。
マツ 僕はIK MultimediaのアクティブスピーカーiLoud Micro Monitorを使ってますけど十分に音がいいもんなあ。
ヤマー そんな感じで、ワイヤレスイヤホン/ヘッドフォンが普及したし、スピーカーで音を聞く機会はそんなに減ってない気がするも、Bluetoothスピーカーとか再生環境とかスタイルが様変わりしたなぁという印象です。
マツ 老舗からも新興メーカー、音楽機器メーカーからも攻められる中堅ブランドというところでしょうか。
ヤマー そうですね。もちろんコロナ禍による半導体不足などの外部要因もあるとは思うんですが。
といってもパイオニアはガチハイエンドの「TAD」シリーズ持ってますし、ブランドの生かし方次第では全然戦える余地はあったと思うんですよね……。ピュアモルトウイスキーを作る際に使った樽材をキャビネットに加工して、TAD由来のウーファーと組み合わせた「ピュアモルトスピーカー」なんて面白い商品もありますし。
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