デジタル化されたMiniDVに移行したのが、1998年に発売された日本ビクターの「GR-DVY」。これは、CCD-M8やTR-55を置き去りにするレベルで小型化したもの。この頃はソフトバンクの出版部門で主に海外のキーパースンへのインタビューをするようになり、その記録としてムービーが欠かせないようになった。長時間を高画質で収めることができるMiniDVはとても役立った。このレベルなら動画から切り出した静止画をそのまま紙面に使うこともできた。なんといってもデジタルズームは100倍もあって、プレス席から基調講演を収録したいときは使い出があった。
これらのビデオカセットは、撮った直後に見るか、全く見ずにしまっていた。貴重だと思い出したのは、妻が他界してからだ。
それからは録画しているムービーカセットを見ては映っているシーンをデジタル化していった。デジカメやiPhone、iPad nano、メガネ型カメラなどで撮ったものはiPhoto→写真アプリのライブラリに保存されているので、それ以前の分を補っているような感じだ。それもあと数本で終わる。
オーディエンスが自分と家族だけの場合、よほどのことがない限り、それは埋もれたままになる。
妻の歌声と遺された写真・動画でミュージックビデオを作る自分はおそらくよほど特殊なのだと思う。
そうでない人々はビデオムービーの膨大なストックをどうするのだろう。かつてスティーブ・ジョブズはこう提案した。iMovieで編集してiDVDでDVDに焼いて渡せ、と。
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