最初の子供が産まれた1987年、質屋で三洋電機の8mmビデオ「8vision VEM-F810」を買った(誕生の後、しばらくしてからだ)。
もうメーカーも残っていないし、この機種はほとんど知られていないだろう。かなり大掛かりな、それこそ初代ベータムービーみたいな肩乗せスタイル。だが、カセットが8mmビデオなのでかなり小さいから軽い。オートフォーカスは付いており、機能的な不満もなく使っていた。新婚ホヤホヤの時期の妻と子供を残せたのはこのビデオカメラのおかげである。
8mmビデオはこの他に、録画機能しかない(再生できない)ソニーのビデオカメラを、これも中古で購入し、使っていた。スタジオでのバンド演奏、飲み会などに持ち歩いては録画していた。パンフォーカスではあるが、とにかく取り回しが簡単で、一時期は全てこのカメラで撮っていた。
残っているかな、と家の中を捜索してみたら見つかった。「CCD-M8」という製品名だ。よくよく調べてみるとこれ、実はこれが、ハンディカム(Handycam)の名を冠した最初の製品だったらしい。録画しかできないという一点突破主義は初代ウォークマンと並ぶ潔さ。1.1kgと当時としては圧倒的に軽かったのでどこでも撮りまくっていた。そのおかげで残せたものはたくさんある。
昭和から平成に変わる一夜、下北沢でバンド仲間と徹夜で飲み明かしたときの記録なんてのもある。
それからビデオは8mmビデオから高画質化、高音質化されたHi-8に移った。僕の8mmビデオも、コンパクトなソニー製ハンディカム「CCD-TR705」(1991年)に移った。パスポートサイズの初代「TR55」をHi8化したものだ。
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