「誰も言及していない制裁。PornHubにアクセスしようとするロシアユーザーは文字通り“邪魔”された。ウクライナの国旗とウクライナ人へのサポートメッセージとともに、コンテンツが止まった旨のメッセージ表示によって」──あるTwitterユーザーが2月26日午前2時ごろに英語で投稿した、こんな内容が話題になっている。同日午後3時現在、約9000件のリツイートや約4000件の引用ツイートが付いているが、この内容はフェイクの可能性が高そうだ。
注:「“邪魔”された」は原文では「were cockblocked」。cockblockは「セックスさせない」の意。
このツイートに対しては、VPNなどでロシアから接続したところ正常に表示できたとする報告が複数上がっている。VPNを使うと、Webサイトへ接続する際の経路を指定できる。ロシアのVPNサーバを経由すれば、Webサイト側からはロシア内からの接続に見えることから、もしもロシアユーザーをアダルト動画サイト「PornHub」が弾いているのなら、これで確かめられるだろうということだ。
ITmedia NEWS編集部でも同様の接続にトライした。VPNクライアントであるOpenVPNを実験用のWindowsマシンにインストールし、筑波大学が公開している学術実験プロジェクト「VPN Gate」WebサイトのVPNサーバ一覧からロシアのVPNサーバを選び、OpenVPN用設定ファイルをダウンロード。
OpenVPNでロシアのVPNサーバに接続できたことを確認した後、PornHubに接続したところ、「18歳以上であることを確認するため」として、ロシアのSNS「VK」によるアカウント認証を求められた。VKでは電話番号があればアカウント作成が可能で、年齢設定なども自由。携帯キャリアの契約参照などによる年齢確認フェーズは特になかった。
このVKアカウントを使って認証したところ、rt.pornhub.comのトップページが表示された。特にウクライナの国旗やメッセージは出ず、正常な表示だった。念のため、個別の動画へ遷移してみても特に“邪魔”されることはなかった。
問題のツイートと編集部による確認には10時間程度のずれがあることから、その間に仕様の変更があった可能性もあり「フェイク」とまで断定はできないものの、VPN接続による表示確認の報告は午前4時ごろにも上がっており、やはりフェイクの可能性は高そうだ。
問題の投稿主の他に、Visegrad 24(Visegradは中央ヨーロッパ4カ国を示す)という11万フォロワーを擁するアカウントも同様のツイートをしていたと、ポーランドのサイバーセキュリティニュースサイト「Niebezpiecznik」が指摘している。
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