ITmedia NEWS > AI+ >
ITmedia AI+ AI活用のいまが分かる

運転手がいないロボタクシー「Cruise」に乗りたい! サンフランシスコで申し込んでみたシリコンバレーから見た風景(2/4 ページ)

» 2022年03月01日 11時29分 公開
[五島正浩ITmedia]

ドライバーレスのタクシーサービス

 Cruiseは自動運転の技術開発を行い、サンフランシスコでテストを重ねた上で、最終的にはドライバーレスの配車サービスとしてビジネスを展開することを目指しています。

 サンフランシスコの街中は道が狭く一方通行が多いため複雑なうえ、歩行者や自転車、そして路駐も多く、慣れていないと自分で運転するのもなかなか大変な場所です。そのためサンフランシスコでの自動運転は、まだまだ開発段階で実用化はずっと先になるだろうと思っていました。

 2021年の11月4日にCruiseのCEO兼共同創設者のカイル・ヴォークト氏が自らドライバーレスのタクシーサービスを使った動画をYouTubeに公開しました。動画の内容は、彼がスマホのアプリで配車をリクエストをすると、無人のCruiseの自動運転車がやってきて、彼を乗せて目的地に届ける一連の様子を撮影したものです。実際に無人の車が、人を乗せて目的地まで運転している様子を見せられると、サンフランシスコでのドライバーレスタクシーサービスも実現間近だと認識させられました。

 ヴォークトCEOの動画からしばらく経った1月27日、今度はGMのメアリー・バーラCEOがサンフランシスコでCruiseのドライバーレスタクシーに乗車する様子が公開されました。彼女が車内で“I feel like we’re making history.”と言っているのがとても印象的です。

photo GMのメアリー・バーラCEOがCruiseに乗車
GM CEOがCruiseに試乗するCruise公式YouTubeチャンネル動画

 日本の陸運局に相当するカリフォルニアのDMV(Department of Motor Vehicles)の情報によると、Cruiseが公道でのドライバーを伴う自動運転車のテストの認可を受けたのが2015年だったそうです。その後、2020年10月にドライバーレスの自動運転の認可を受け、そして2021年9月に商用サービスの認可を得ました。

 ただし、現段階ではいろいろと制限がついていて、エリアはサンフランシスコの指定された一部の場所のみ、時間は午後10時から午前6時まで深夜帯のみ、そして速度も時速30マイル(48キロ)までとなっています。

 また、実際に商用サービスを提供するには、DMVに加えてCPUC(California Public Utilities Commission)からも認可を取得する必要があるそうです。まだまだ完全なものではありませんが、着実にサービス化に向けて前進していることが分かります。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.