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Microsoft、約200億ドルでの音声認識のNuance買収完了

» 2022年03月07日 09時56分 公開
[ITmedia]

 米Microsoftは3月4日(現地時間)、2021年4月に発表した米音声認識大手Nuance Communicationsの買収を完了したと発表した。この取引については英国(リンク先はPDF)など複数の国の当局が独禁法関連の調査をしていたが、すべての当局から承認が下りたため。

 nuance

 Nuance Communicationsは1992年創業のマサチューセッツ州バーリントンに拠点を置く上場企業。米Appleの音声アシスタント「Siri」の基になる技術を提供したことで知られる。モバイル端末や車載システム向けの音声認識技術「Dragon」シリーズ、OCR技術、モバイル向け入力システム「Swype」などを手掛けた。2018年から医療機関向け音声入力サービス「Dragon Medical One」に注力しており、Fortune 100の85%、1万以上の医療機関にサービスを提供している。

 Microsoftは新たな発表文でNuanceを「ヘルスケア、金融、サービス、小売、通信を含む業界全体の会話型AIおよびアンビエントインテリジェンスのリーダー」と呼び、MicrosoftとNuance共通のビジョンである成果ベースのAI構築を目指すと語った。現在のNuanceの主要市場であるヘルスケア業界を超えて、デジタルコンタクトセンターなどのサービスを提供していく計画だ。

 Nuanceの買収総額は197億ドルで、MicrosoftとしてはLinkedInの262億ドルに次ぐ大規模買収だ。MicrosoftはActivision Blizzardを687億ドルで買収すると発表したが、この取引については複数の当局が調査中で、まだ完了していない。

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