オーディオブックは、米国では人気の高いコンテンツだ。
オーディオブックとは、底本となる書籍をプロのナレーターが朗読したもので、小説やビジネス書など数多くのコンテンツがある。とはいえ、丸々本1冊分なので、全部朗読で聞くと10時間を超えるものも少なくない。
本は読みたいが、時間があるのは運転中だけ、みたいな人たちのニーズが高い。米国ではサンフランシスコやロサンジェルスのような大都市でも、通勤は車だったりする。ある意味、「渋滞のお供」だったりもする。
日本では2022年1月27日より、Amazon傘下のオーディオコンテンツサービス「Audible」が、会員向けにオーディオブックの聴き放題サービスを開始した。これまでは月額1500円を払いつつも、聴けるオーディオブックは毎月1本、それ以上は個別課金されるというスタイルだったが、月額料金はそのままで12万本以上のオーディオブックが聴き放題となった。
いわゆるオーディオブックのサブスク化である。これにより、日本でもオーディオコンテンツとして盛り上がりを見せるか、と期待されているところだ。
普段からラジオやポッドキャストを聴いているという人は、音声のみの情報入力に対して慣れているところではあるだろうが、これらのコンテンツはいわゆる「トーク」が中心である。一方オーディオブックは、元が小説だったりするので、強いていえばラジオドラマに近い。
ただ、ナレーター1人の朗読なので、音楽や効果音が入るわけでもないし、役柄によって人が変わったりもしない。それでもナレーターによる感情や抑揚があり、やっぱりドラマ感はある。
その一方で、ビジネス書やサイエンス本、今ご覧のようなコラムのような文章は、プロのナレーターが読むのが正しいのか、という問題が起こる。いやもちろんアマチュアに読んでもらうよりは全然良いのだが、なんとなくそのプロの抑揚ゆえに、たとえばサイエンス本を聴いていても、「これフィクションなのかな?」と、聴き手の方が何を聴いてるのか分からなくなることがあるのだ。
つまりオーディオブックは、何から何までプロのナレーターが読むのがいいわけではなく、モノによってはニュース読みのアナウンサーのように、抑揚や感情がない方がいいものがある。
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