ITmedia NEWS > 社会とIT >

Twitterでセクシーなお姉さんの人助けをしたら、投資を教わって“4000ドル儲けた”話(2/3 ページ)

» 2022年03月29日 08時00分 公開
[荒岡瑛一郎ITmedia]

「父親探しのお礼に、投資を教えてあげる」

 手助けを申し出た後から、ジェーンさんの態度が少し変わった。「お礼に投資を教えてあげる」「仕事だけでは稼げない。若い人こそ投資をすべきです」「私は今晩だけで6790ドルの利益を上げました」といった投資関係の話を長文で送ってくることが度々あった。

 これは怪しい。いくらお礼とはいえ「稼ぎ方」を教えようとするのはおかしい。だいたい、お礼をする気があるのならその「今晩稼いだ6790ドル」のいくらかでも送ってくれれば済む話ではないか。

 実は、少し前にふと気になって、ジェーンさんのアイコン画像をGoogleで画像検索してみたところ、全く同じ写真がヒットしたのだ。彼女が投稿していた写真やDMに送信した写真のうち何件かも、他人のTwitterやInstagramにアップされていたものだった。

 外国人を名乗る成り済ましアカウントの人物から、父親探しを手伝うお礼に投資の手解きを受ける――これは面白すぎる。筆者は迷わずにメッセージのやりとりを続けた。

投資シミュレーションで練習 指示に従えば4000ドルの利益?

 とはいえ疑念を悟られてはいけない。「え!? 6000ドルも稼いだんですか! すごいですね、ぜひ教えてください!」といった具合にジェーンさんの提案に乗った。本当に投資アドバイスをしてくれるいい人の可能性も微粒子レベルで残っている。

 「まずはシミュレーターで投資を学びましょう」といって「MetaTrader4」(MT4)というアプリのダウンロードとユーザー登録を指示してきた。特定のアプリをダウンロードさせるのは投資詐欺の手口だ。ただし、MT4は世界的に知名度のあるFX取引ツールと知っていたので、ユーザー登録を進めた。

 それから1カ月間ほどデモ口座で投資レッスンが始まった。シミュレーションとして10万ドルの元手を使い、金(ゴールド)の取引銘柄「XAUUSD」で売買を体験。レッスンといっても、ジェーンさんの指示した時間に売り買いの操作を行うだけだ。1回の取引で4000ドル以上の利益を得たこともあった。

 なぜジェーンさんは的確に売買のタイミングを当てられるのか聞くと、彼女は“教授”という人物のアドバイスに従っていると答えた。「もし本当の取引がなら、あなたは私の取引指示に従うと大きな利益を得られます」(ジェーンさん)

photophoto MT4のデモ画面。この日は4000ドル以上の利益を上げたことになっている。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.